副市長の選任及び教育委員の任命

 一般質問の最終日。全員協議会が開かれ、追加議案の説明が議長からありました。副市長の選任と教育委員会委員の任命について、です。両職ともこの3月で任期が切れるので後任の人事です。
 この2件が追加議案として市長から提出され、全員協議会で議長より説明がありました。市からは文書としての議案提出があっただけで、全員協議会へ市長が出席しての説明はありませんでした。
 議案32号 副市長の選任について
 副市長に、現総務部長の谷ケ崎照雄氏を選任することについての同意を求める議案です。 提案理由は、次のように議案書に書かれています。
 「副市長勝村直久氏が平成24年3月31日をもって退職することとなるが、後任として谷ケ崎照雄氏を選任することについて同意を得たいので、地方自治法第162条の規定により、この案を提出するものである。」
 同じく、日高市教育委員に、早川康弘氏を任命することについての同意を求める議案です。提案理由は、次のように議案書に書かれています。
 「日高市教育委員会委員早川康弘氏の任期は、平成24年4月1日で満了となるが、再び早川康弘氏を同委員に任命することについて同意を得たいので、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項の規定により、この案を提出するものである。」
 地方自治法第162条とは「副市長村長は普通地方公共団体の長が議会の同意を得てこれを選任する。」と条文にあります。教育委員会委員の、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項というのも、同じような趣旨です。
 人事案件は全部、法律でこのように決められているからそれに則り提案する、というのが決まり文句で、それ以外に経歴書が添付されているだけです。提案理由はこれだけで、全くそっけないものです。
 行政委員会のような非常勤の人事の場合は、今までこういう決まり文句の提案で同意してきましたが、ナンバー2の副市長と教育行政のトップに就く人の人事がこれでいいのかな、という感がします。
 市町村によっては開会前に提案し、一般質問で質問できます。日高市でもそう出来たはずですが、提案は開会半ばを過ぎてでした。一般質問だと、市長は詳しく理由を語ることを求められるので、それを避けたというのが実情だと思います。
 人事の議案は、質疑を行っても、よくは覚えていないが「高潔な人柄で識見高く……」とか何とかいうワンセンテンスの答弁で、それ以上を語ることはない。全国的にもほとんど同じようで、この状態に何か違和感を持っていました。こういうことも、市民が議会に不信を抱く理由の一つになっているのではないか。
 普通の常識であれば、市政に影響を及ぼす極めて重要な人事なのだから、こういう理由で選んで今後こういう市政をしたい、という事ぐらい市民と議会に向けて話してもいいんではないか、と思うのだが、全くそうではない。法律で決まっているので出すから同意してくれ、というだけです。
 副市長は、市長の意向でどんな人物でも選任できるので重要です。今回は市職員だから人物的には問題ありませんが、議会がよく知らない市長の支持者等が提案されるともめるようです。日高市の場合、やはり市長の谷ケ崎氏選任の理由は、市長の姿勢や行政の方向を見る上で重要です。