議会最終日、副市長人事質疑

 議会最終日、議案の採決です。33本の議案、請願2本、意見書1本。
 市長提出の予算関係、条例関係33本は、付託された委員会で質疑、討論は済んでいて、審査結果は「原案可決」です。本会議では、それを前提として淡々とした進行です。
 33本の議案は、総務福祉常任委員会と文教経済委員会で分担して審議され、質疑、討論、採決が済んで、いずれの委員会付託分も「原案可決」となっています。議員はどちらかの委員会の所属しています。
 本会議では、各委員会の委員長が「原案可決」となった経緯を報告し、その報告に対し、その委員会のメンバーでない議員が質疑する仕組みになっています。これは決算委員会と同じで、委員長報告に対し質疑を掛けても、報告通りのワンフレーズで終わりです。ここは、分割委員会方式が現状議会の欠陥となってしまうところです。日本共産党が質疑と反対討論を行った以外は何もなく、議案を読むことで時間が過ぎていきます。
 この後、副市長と教育委員の選任・任命案件に入りました。保守系の御二人がさっと手を上げ先を越されたので、2番手でいいと思いましたが、結局3番手で質疑を行いました。
 単語をいくつか書きつけた議案書を手に登壇、その単語を見ながら言葉をつなぎました。正確には再現できませんが、大体、こんな内容だったと思います。
 「市長は、現在の勝村氏を含めて3代の副市長を県から招いたが、今回は方針を変更して職員からの選任となりました。これは大きな方針変換となると思うが、先ほどの答弁の中で、『選任には大変苦慮した』と言われていた。方針転換の理由に関連して、どういうところに苦慮したのかお答えいただきたい。
 平成18年の地方自治法の改正によって副市長の機能は格段に強化され、市長の委任によって市政運営、政策立案全般を司り、また補助機関である職員の事務を監督して市長を補佐することになった。
 谷ケ崎氏の選任によってトップマネジメントが大きく変わり、今後の日高市政に大きな影響を及ぼすと考えられるが、市長の権限のどの部分を委任するのかお答えいただきたい」
 大体、こんな内容だったはずです。ここで議場がざわざわとしてきました。権限の委任と言うのはおかしい、副市長が谷ケ崎氏でいいかどうか聞いているのだからそんなことは関係ないぞ、ということらしい。
 最初は何で騒いでいるのか分からず、議長が暫時休憩を宣したので、自席に戻って「おかしい事は聞いていない」と反論しました。議運の委員長が自席に来て訂正して質問しろ、といってきたので、議長と事務局長の見解を聞いてみようと、議長席の下に言って確認しました。
 やはり質疑として関係ないことを訊いている、ということらしい。要するに、谷ケ崎氏が人物的に好ましいかどうか、能力的にふさわしいかどうか、という谷ケ崎氏の属人性が質疑として必要なことらしい。
 私は、谷ケ崎氏に異を唱えるつもりはなく、むしろ職員出身の方がいいと思っていたくらいなので、訂正としても前言の記録は残るということなので、副市長としてふさわしい理由は何か……とか何とか訊いて終わりとしました。
 質疑の形式の問題で訂正が入ったが、市長が副市長にどの仕事を委任するのかは重要な問題です。市長が判断、決断、指示して具体的な仕事や政策を副市長に進めさせ、自身は自分の政治家としての宣伝や価値判断を披露していればいい、と言うのがよくある形です。石原都知事などはその典型。市長の個性と政治家としてのスタンスが影響します。いずれにせよ、日高市の議会風景も変わるでしょう。