続けてきた落ち葉掃き

明治神宮の森の造営で紹介されていた遷移については多少のことは知っていました。
要するに、植生の変化です。
荒れた土地に様々な植物が定着しつつその構成が変わっていくこともそうだが、
耕作放棄地の植生の変化も遷移の一種です。
中の田公園、昨年の9月。たくさんのコナラのドングリが発芽して生長し始めていました。
実生から森が形成される最初の第一歩です。
明治神宮の森の形成でも、この実生が育って遷移が進み、
他の樹木を駆逐して計画通りの森が出来ていくことが紹介されていました。
中の田公園のコナラは大木になりすぎ、枯死が近づいています。
実生のコナラが自然に育てば新しい森が出来るはず。
コナラの発芽しているところは、落ち葉が僅かばかり残っていたところです。
かつては里山の様相が残っていたが、
今では、植物が育たない裸地となってしまった。
そこで、実生で発芽したコナラを守るために、
昨年の秋から落ち葉掃きを始め、一帯に落ち葉を敷き詰めることを続けてきました。
ラジオ体操の後の適当な運動にもなった。
落ち葉がある意味を伝える看板を2箇所に立てました。
その甲斐あって、落ち葉は堆肥用にもさらわれず春まで残りました。
落ち葉掃きで私が目論んだことは、実生のコナラを守ることで、また落ち葉の下から
さまざまな里山の植物が発芽し、新しい里山への遷移が進むだろうということです。
落ち葉の存在とキンラン、ギンランの群生は関係はあるのかどうかは不明です。
しかし、落ち葉があることで、その下の土壌の微生物環境が良くなっていることは事実です。
それが、コナラを媒介にしてキンラン、ギンランの植生に何か影響があるかもしれません。
そして、実生のコナラのほかに他の植物も発芽するなど、新しい遷移への何か兆しが感じられます。
NHKが放映した明治神宮の森の造営は、私の意図を後押ししてくれました。