保護しなければ

踏みつぶされてしまうことと、めずらしいからと自宅栽培を試みる人もいないとも限らないので、とりあえず、「めずらしさ」の理由を示すことが先決。3枚の看板を立てました。いずれ都市計画課の許可をとらないといけないが、とりあえずの情報提供も兼ねてです。看板を書くに当たって、ウィキペディアを参考にしました。


キンランの特殊性についてウィキペディアの記事が、専門家が書いているようで詳しいので、少し長いが下記に引用します。
「キンランの人工栽培はきわめて難しいことが知られているが、その理由の一つにキンランの菌根への依存性の高さが挙げられる。多くのラン科植物の場合、菌根菌(ラン科に限ってはラン菌という言葉も習慣的に用いられる)はリゾクトニアなどの、落ち葉や倒木などを栄養源にして独立生活している腐生菌である。 ところがキンランが依存している菌は腐生菌ではなく、樹木の根に外菌根を形成する樹木共生菌である。外菌根菌の多くは腐生能力を欠き、炭素源を共生相手の樹木から供給されているため、その生存には共生関係を成立させうる特定種の樹木が必要不可欠となる。そのような菌から栄養分を吸収しているキンランは、樹木の作った栄養を、菌を通じて間接的に摂取しながら生きているとも言える。……略……人工環境下においても外菌根菌の人工培養は難易度が高く、樹木に接種して外菌根を人工的に作ることも高度な技術を要する。現在のところ、一般家庭レベルの技術で共生栽培を成功させる手法は確立されていない」
野山を歩いて見たということは多く報告されていますが、環境省のレットデータブック(RDB)カテゴリーでは、VU(絶滅の危機が増大している種=絶滅危惧Ⅱ類)に指定、埼玉県では、もう一つ上のランクのCRとEN(絶滅の危機に瀕している種=絶滅危惧ⅠB類)に指定されています。
菌がいないところには、キンラン、ギンランは出ないようです。このような特殊な菌との共生による生育であるならば、この菌が公園のコナラの下の一帯に存在することになります。では、なぜ菌がいるかは、理由は分からないようです。
先日見た明治神宮の森が変化していく過程で、落ち葉の役割が強調されていましたが、この小公園でも何か、関係はあるのではないか。
目印に、竹を刺しておきました。
参考
環境省(1997)のRDBカテゴリ
絶滅(EX):我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
野生絶滅(EW):飼育・栽培下でのみ存続している種
絶滅危惧I類(CR+EN):絶滅の危機に瀕している種
絶滅危惧IA類(CR):ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種
絶滅危惧IB類(EN):IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種
絶滅危惧II類(VU):絶滅の危険が増大している種
準絶滅危惧(NT):現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
情報不足(DD):評価するだけの情報が不足している種
付属資料「絶滅のおそれのある地域個体群(LP)」:地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの