飯田氏山口知事選へ

  私も会員であるNPO法人「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長が山口県知事選挙に立候補を正式表明しました。橋下徹大阪市長大阪維新の会の顧問は辞め、また支援も受けず無所属での出馬です。
 飯田氏は、エネルギー問題の専門家として、いまや日本いや世界的範囲で活動し、その発言が注目を浴びています。京都大学東京大学原子力専攻の大学院を卒業しており、技術的評価を踏まえた原発批判ができる数少ない専門家です。
 技術面からだけではありません。かつて研究者として過ごした「原子力ムラ」(飯田氏の言葉)の、日本の将来を危うくする危険な行動と思想に警鐘をならし、独自の民間活動を起こしました。
 民間活動家として脱原発への強い意思を表明しながらも、技術と組織の仕組みに合理的判断が下せる人間として、原発反対・推進両派の話し合いの必要性を強調してきました。このような立場からして、地方政治家に転身しなくても、自然エネルギー原発の専門家として世界的スケールでの活躍が期待されていました。
 しかし、地域から社会を変えていこう、ドイツのような原発無依存社会をつくろうという行動への情熱が、氏を動かしたのだと思います。氏の本を読んでいても、発する言葉からそれは伝わってきます。自然エネルギーへのシフトを通じて日本社会を変えていこうというパラダイム変換を主張する新しい政治家の誕生です。
 社会構造を変えることに対して、どういう手段をとるのか。氏は従来から、原発の情報開示に関して、徹底的な公開と説明責任を主張してきました。この不足が原子力ムラの暴走を許し現在の状況を招いたことを、ムラの住人であったことの経験から強調しています。
 脱原発論争でもそうですが、情報公開と説明を尽くした上で、政策の可否を当事者で話し合おうという姿勢は明確だと思います。私も出席した、環境エネルギー政策研究所主催の長野県で開催されたシンポジウムでも、原発賛成派の学者が数人招かれていました。反対者と話し合うという考え方は、原発の最高レベルの専門家であり社会活動家としても行動してきた経験からのものだと思います。
 山口県でも、中国電力が瀬戸内海に面する上関町に建設予定の上関(かみのせき)原発をめぐって、立地の可否を問う事態が進行中です。これが最大の争点、パラダイム変換の第一歩として飯田氏の姿勢は明確です。
 しかし地方政治家としては原発だけではありません。地域の市民生活全体を与るわけです。脱原発から発せられる社会の仕組み転換の考え方は、立候補で打ち出された市民本位の一連の政策によく出ていると思います。情報公開と説明責任及び話合いという原発論争で示された飯田氏の姿勢は、地方政治全般で発揮されるはずです。
 私はこういう新しい政治家がどんどん出てくるべきだと思います。西も東も、いさましい強権を振りかざし打ち出の小づちで解決させようという地方政治家が大もてですが、こういうところに寄りかかるのではない政治です。日高市でも、こういう人材はいないか。
 以下、出馬の宣言を掲載します。

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 ――私、飯田哲也は、7月29日投開票の山口県知事選挙へ立候補することを決断いたしました。 山口県知事選挙への出馬について、この間、熟慮に熟慮を重ねてきましたが、やはり故郷 山口への想いは強く、今の立場を捨ててでも挑戦したいと思い至りました。
 皆様には、これまで明確なお答えができず、お騒がせしてしまったことをお詫び致します。 なぜ今、山口県知事選挙に出馬するのか、国の原子力・エネルギー政策の転換期ということ から、多くの方から疑問を投げかけられました。
 県知事という政治家よりも、これまでどおり、国も地方自治体も国際機関に対しても、 また政党や考え方を問わず、自由かつ独立の立場から政策提言し、その実践を助言した方が、 リスクが少ない上に効果的だという助言もいただきました。
 しかし私は、以下の理由から、この山口県知事選挙とその職に賭けることを決意しました。
 ? 311後にエネルギー政策を変える使命があり、中央政府が逆回転し始めた今だからこそ、 地域からの歴史的なダイナミズムを生みだしたいこと
 ? 故郷・山口は明治維新を生み出した地であり、立場・考えの違いを超えて、必ずや 県民のみなさんが私の信念に呼応して決起して下さると信じていること
 ? 日本中が閉塞感に覆われるなかで、故郷・山口から「脱官僚・脱中央・脱閉塞」による 開かれたデモクラシー改革を通じて、「ほんとうに豊かな21世紀の地域社会」を目指したいこと
 山口には、世界に誇るべき自然や歴史、文化があり、また山口県民に脈々と受け継がれた 「維新のDNA」は、この困難な時代を切り開いていく可能性を秘めています。
 私は、女性や若者が将来に希望を持てる、子を産み育てられる、ご年配の方々が安心して 住み続けることができる、すべての人に開かれた民主主義と世界水準の生涯教育を通じた 知識革命によって、21世紀型のほんとうに豊かな「持続可能な地域社会」を実現していきたい。
 明治維新を成し遂げた山口県民の「維新のDNA」と、世界中に広がるわたしの知識・経験 ・ネットワークを組み合わせて、山口から再び日本を変えていきたい。しかも今度は、 山口が福島を助けるための維新を興していきたいとの想いから、この度の出馬を決断いたしました。
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 私は、山口県民ではないが、氏を応援したい。