小畔の会

 午前中は久しぶりの小畔の会。作業の後に手打ちうどんの振る舞いがあると聞いて出かけました。
 小畔の会は、小畔川の昭和橋下流の田んぼ地帯右岸の草刈りを行っているボランティア団体。創立以来約8年、月1度の川岸の草刈りや水質検査を行ってきました。荒川流域ネットワークの参加団体にもなっており、私もネットワークには小畔の会の会員としての立場で参加してしています。

 日高市中央部の生涯学習センターや日高郵便局の南側、小畔川に沿った田んぼ地帯があり、川の右岸の南東の尾根筋一帯が高麗川団地です。地図の赤線で囲まれた中のグリーンの地域は農業振興地域と言って、農業振興地域の整備に関する法律という法律によって農業用地として厳格に保護されている地域です。赤線は、現状と少し異なっている所もありますが、現在もほぼ同じです。
 小畔の会の活動区域は、高麗川南公民館の近くの川沿いの点線で示したところ、延長約300メートル。今でこそ川の沿道と言えますが、始めた頃はシノと草が生い茂り川沿いを歩けなかった。最初はカマで草やシノを刈り、ここ数年は草刈り機も使って南公民館下の堰の所から下流の橋まで歩ける道を少しずつ伸ばしていきました。
 この辺は川と言っても県が管理する一級河川ではなく農業用水としての流れだったので、護岸の整備は行われておらず、樹木が茂る自然河川の姿を残していました。会の趣旨は、川沿いの植生を丸裸にしないで自然の姿を残した緑道とすることです。

 そして今、大勢の市民が散歩道とし子供たちも遊びに来る“田舎の川”ができました。月に1回のゆっくりした作業だったのですが、継続して行った結果です。流れそのものには手を付けずに、水の流れが心に働きかける川の景観を創りだしました。
 農業振興地域と言っても実態は休耕田んぼで草ぼうぼうの場所もありました。川の淵の公共地と田んぼの区別がつかない所もあり、私有地に手を出すなという強硬な苦情もありました。最近では地道な活動見てのことか、そういうこともなくなったようです。あちこちの草刈りも進み、田んぼらしい景観が甦っている。
 活動区域の300メートルの間に堰が2箇所あり、田んぼ地帯の中央部と南東の端の2本の水路に水を回すようになっています。豊富な水が隅々まで入る非常に好条件の田んぼなのですが、半分以上が作られていません。厳格な農業保護を目的とした市街化区域の中の農振地域、好条件の水利、休耕、耕作放棄、持ち主の事情等、ここにはいろいろな問題が含まれているのですが、今ここでのテーマではありません。
 会は田んぼの復活を次の目標としたのですが、いろいろな問題の反映もあって未だ実現していません。 

 この写真は草を刈った田んぼ。ここは私が言う「草を残したままの田んぼ」の最も理想的は状態です。草をこのように刈っておけば景観面からも土地利用面からも、有用な“余裕地”となります。どういう状態にしておこうと持ち主の勝手だという事は百も承知ですが、こういう状態がいいなと思う好例です。
 灌木が茂ってしまうと“放棄地”になってしまいますが、これであれば明日にも、大豊作間違いなしの田んぼになります。