新設工場がもう閉鎖?


大型のボイラーを備えたプラント

立札があります。閉鎖の状況が分かる情報のようですが読めません。

出来たばかりのピカピカの時見学したのだが。

 アリーナの前の道路を田波目方面に500メートル行ったところにあるこの工場プラント。確か平成20(2008)年ころ完成した新しい工場で、活性炭を作っているはずでした。「はずでした」というのは、現在門は閉鎖され構内は人気がなく、明らかに稼働していません。
 偶にこの前を通っていましたが、気がつきませんでした。しかし、こんなに早く閉鎖になるとはと驚きました。車を停めてよく見てみると、状況からしてかなり停止後の時間が経っているようです。
 完成直後にこの工場を見学したことがありました。コーヒーの絞りカスやお茶がらを活性炭にして農業用や水の浄化用に使うとかいう話が記憶に残っています。カイロの原料にもなるとのことでした。
 工場の閉鎖はなぜなのか、その理由を確かめようとネットで調べてみました。しかし情報がありません。関係者はまず第一に、この工場の門に表記があり所有者と考えられる(株)リバーライト環境研究所、活性炭製造を企画したNPO法人日本炭化研究協会、原料のコーヒー絞りカスの提供元であり自社の食品廃棄物の有効利用でメリットがあったと考えられるコカコーラ社の三者
 特に追求して調べたわけではないが、疑問に感じたことを並べてみる。
・日本炭化研究協会はNPO法人だが、コンセプト過剰で実態がよくわからない。私が工場開設の頃調べた内容と役員等かなり違っている感がする。工場は閉鎖となっているのに、トップページの業績に“会員企業”であるリバーライト環境研究所の日高工場の完工を挙げている。工場閉鎖については一言も説明なし。未だに閉鎖のことは伏せて完工の成功体験で売っている感じがする。
・日本炭化研究協会との共同事業として華々しくマスコミ発表し宣伝もしたコカコーラ社も、事業中止に触れずその後何の発表もなし。
・(株)リバーライト環境研究所についての情報は住所以外になし。日本炭化研究協会は会員企業としているが、実質的にはダミー会社のような印象。
 NPO法人日本炭化研究協会は、農水省の「バイオマス利活用フロンティア推進事業」認定を目指す、と事業出発の目的にしています。バイオマス利活用フロンティア推進事業というのは平成15年度からの農水省の目玉事業で、終盤を迎えた水田の基盤造成という事業に代わる一大ハード事業です。経産省等の他省庁も関わる膨大な横断的予算が組まれて現在も確か進行中です。
 市町村やNPOを対象に、事業の2分の1の費用が補助されます。この三者の事業が農水省の事業に認定されたかは分かりませんが、目指していたことは事実です。
 (株)リバーライト環境研究所 日高工場の閉鎖について、情報のスジを読んでいると何となく?を感じます。何としても“隠したい”という意向が三者に働いていることを。これだけの大事業の結末は闇の中ということです。
 日高市にこういう熱源装置プラントができることは珍しいし、チップとか畜ふん等の有機物残渣を利用するバイオ利活用は、当時、日高市農水省予算で立地調査を行ったこともあって、関心を持って眺めていました。
 
 以上のこととは関係ないですが、農水省バイオマス利活用フロンティア推進事業はアイディア満載のソフト、ハード連携事業ですが、うまくいってない例が多いというのが実情です。
 以前、農水省の講堂で講演を聞いた後、1階の売店で本を見ていたら、出席者の一人だった人が農水省の役人と立ち話をしていました。地方の遠い所から来たんだから、キチンと話しを聞かせろと。というのは、この人は、農水の各地のバイオ実践事業がうまくいっていないのはなぜか理由を確認したいらしい。せっかく地方から出てきたんだからこの際、しっかりと疑問を聞いて地域へ情報を持ち帰りたいという思いを感じました。
 農水の担当者は上へは上げず玄関先ですませてしまおうと思ったのでしょうが、部屋にどうぞとエレベーターに向かいました。