水辺再生事業

 9時30分から横手神社境内で行われた埼玉県水辺再生事業の完成式典。
 これは横手神社前の約400メートルの高麗川河畔を整備して遊歩道を建設した工事です。埼玉県が知事の目玉事業として、平成20年度から県内100箇所で進めてきた川の再生事業の一つです。
http://www.pref.saitama.lg.jp/site/kawanosaisei/100plan.html

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 水辺再生事業と言うのは、県民の提案に基づく事業として、市民との協働で行われた、ということが目玉になっています。100箇所ある中では、確かに今まで川に関わってきたボランティアの活動を受け止めた事業もあり、水辺再生と言うのにふさわしい場所がありました。しかし、なぜ、こんな所が、という場所もあり、選定の経過と可否が、川をよく知る市民の間で問題になりました。
 この横手の遊歩道は、巾着田の水辺再生事業と並んで取り上げられた事業ですが、ほとんど日高市民に知られることはなく、地元でも関心薄く賛否両論ある、ということが聞こえてきていました。しかし、県の決定を受けて、県土事務所はアンケートをとり、地元の関係者との話し合い、説明会を何度か行って昨年秋に着工、今日の完工に至りました。
 話は逸れましたが。横手の水辺再生事業は、諏訪橋の袂から約400メートルの範囲、擬木の手すり付きコンクリ舗装とブロック護岸からなる遊歩道です。護岸の下に流れに洗われて掘れないようにかごマットが敷かれ、いわゆる根固めが行われています。

 完成披露会は、県の県土整備副部長、市長、議長、県議はじめ議員や地元区の方が出席して、埼玉県飯能土木事務所主催によって武蔵横手神社境内で行われました。今後の管理は、県と市と横手区友好会が協定書を交わし行われていきます。式典の後、高麗川中学校のによる吹奏楽の演奏と寒桜の植樹が行われました。
 まずは完成を喜びたい。素人目だが、遊歩道分だけ河道が狭くなっている感じです。結構、上まで水が来るんではないか。
 ここを歩く人は誰なんだろうか。普段は地元の人が利用? でもすぐそこに見える間隔で生活道路が並行して走っている。諏訪橋から特養に行けるから施設の人が散歩? 夏は河原に水遊びにくる人でいっぱいになりそうだ。車止めしてないから河原に降りられるのか? いずれにしても夏は駐車と河原の喧騒でにぎやかになりそうです。協定を結んで維持にあたる地元のご苦労が想像できます。
 最近は、県の事業が地域で、いつ、どのように行われているのか、さっぱりわかりません。県内自治体で県の直轄や補助金を出した事業がたくさん行われているはずですが情報が出てきません。以前は、県事業でも市の広報で伝えられましたが、最近では市では流さず県土事務所がHPに掲載しているだけです。県は県、市は市、という広報体制の根本的欠陥があります。県は一切の広報を中止し、その予算を県内単位自治体に配分して、市町村広報に一定の県スペースを設ければいいと、こんな大それたことも考えます。
 県と自治体の間の関係としては問題があるのですが、市からしてみれば県の事業は関係ない、出来てから事実だけ報じればいい、ということでしょう。事前に市民に知らせて、余計なことを言われても、という気持ちもあると思います。
 最近思うに、県の存在の可否について考えることも多くなってきました。生活排水問題、交通問題、河川問題、観光問題等々、県がなくてどんな具合悪いことがあるのか。道州と自治体広域連合がこれからどういう具合で進むのか、意識せざるを得ない状況になってきます。
 同時に、県議会の役割と存在も考えざるを得ません。いま基礎自治体で頑張っている首長は、県の役割否定論者が多い。実際の実務の中では自然にそうなってくるのかもしれない。
 そんなことも考えながら、完成した遊歩道を歩きました。