国際PPPフォーラム


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 たまたま開催情報に接してかねて出席しようと思っていた国際PPPフォーラム。友人もこういう会があるぞとメールをくれ、会場で落ち合うことに。
 この国際PPPフォーラムというのは、東洋大学大学院経済学研究科公民連携専攻が主催する講演とディスカッションで、東京と大阪で開催されます。プログラムはこういう内容です(東京会場)。
【プログラム】
14:00 主催者あいさつ 竹村牧男 東洋大学学長
14:05 問題提起 
「なぜ、シティ・マネジメントが必要なのか〜公共施設の老朽化と財政健全化」
根本 祐二 東洋大学教授
14:30 基調講演1 「シティ・マネジメントの役割と効果〜シティ・マネジャーは日本にも広まるか」
ロン・カーリー 国際シティ/カウンティ・マネジメント協会専務理事
15:00 基調講演2 「バランス・バジェットへの挑戦〜フロリダ州の取組みと日本への応用可能性」
グレン・ロバートソン 元全米バジェット・オフィサー協会会長
15:30  休憩
15:40 パネル・ディスカッション
(パネリスト)
ロン・カーリー 国際シティ/カウンティ・マネジメント協会会長
グレン・ロバートソン 元全米州バジェット・オフィサー協会会長
増田 寛也 元総務大臣、元岩手県知事
穂坂 邦夫 N PO地方自立政策研究所長、元埼玉県志木市
(モデレーター)
サム・田渕 東洋大学大学院教授、国連PPP専門家会議副議長
17:00 閉会

 このフォーラムの目的は
(1) 欧米の自治体経営の専門家であるシティ・マネジャー制度を紹介、日本への導入を図ること。
(2)海外におけるシティ・マネジメント、バランス・バジェット(米国で法制化されている予算均衡手    法)の具体的内容の紹介。
(3)東洋大学の経営戦略としての大学院講座の宣伝と学生集め
 会場はサンケイプラザ4階ホール。相当大きな会場だが、開催15分前でほぼ満席。東洋大学がこういう公民連携の大学院研究科を設けていることは知らなかった。校舎は大手町のビルにあり開設数年を経ているという。
 地方自治体経営の講座を設置することは最近の流行で、主要大学にはほとんどあるのではないか。東洋大学は2006年にPPPスクールを開設とある。ちなみにPPPとは、Public、Private、ParTnership。
 メインゲストはアメリカのシティマネジメントの専門家であるが、その講演を受けて議論するのは、根元東洋大教授と、地方自治ではよく知られたお二人、増田元総務大臣と元志木市長穂坂氏。
 感じたのは、シティマネジメントは必要なことで地方自治の経営技術はどんどん整備し取り入れなければならないこと。これは当たり前のことで、そのためには執行側の予算・決算と事業計画化のが説明と情報開示が先決。これなくしてどんな議論も無駄。
 マネジャー制度については、穂坂氏が市町村長を廃止して中立的テクノクラートの創設を提唱しているが、これには一理あると思います。
 地方の選挙基盤構造からして、当選すれば首長は勝手ヤリ放題となる可能性がある。総合計画の中途変更も可能、選挙で選ばれたことを口実に新規事業化は何でも可能。さらに議会の市長与党化が一般的です。市長をチェックし得ない議会となると、誰も税金の使途、行方をチェック出来ないことになる。
 現行の地方自治組織と機能と人材状況がそういう状況です。シティマネジャーがいいかどうかは、私にはまだ分からない。しかし二元代表制の下で、まだまだやるべきことはある。議会も行政も何らかのガラガラポンをやって地域の選択に任すのは必要だと最近は感じています。
 現実には、それに近い成功例も出てきている。外からきた新市長が財政非常事態宣言をして改革に成功した熱海市などはそうかもしれない。九州鹿児島では逆の面から、変わらない議会に対して頭に来た市長が暴走した。
 このフォーラムの大阪開催では、より具体的テーマを取り上げられる。これだけの大きなイベントを仕掛けるには大学全体のサポートがあるからだろうが、協賛企業として14社がプログラムに名を連ねており、開会時に読み上げられた。こういう所に大学には無かった運営が感じられました。
 大阪の話はぜひ聞きに行ってみたいものです。