木くず受入れ実証化試験の説明会

岩手県からの木くず受入れに伴う実証試験の結果報告及び説明会」に出席しました。午前の部と午後の部の2回開催されましたが、午後の部に出席。午後2時、市役所301会議室。会場はほぼ満席だったような気がします。
 開会
 あいさつ
 議題 (1) 報告事項
 ・岩手県からの木くず受入れに伴う実証試験の結果について
 ・今後のスケジュール
 ・セメント製造工程について
 (2) 質疑応答
 行政側の出席者は、埼玉県が環境部副部長、資源循環課課長、副課長。日高市は、谷ケ崎副市長、岡村市民生活部長、関口環境課長。太平洋セメント製造部長。
 資料として、実証試験の結果以外に、大沢市長名で市民に出された、受入れに当たっては実証試験を行い安全性を確認したうえ市民に報告する、とした3月1日付文書と、災害廃棄物受け入れに関するQ&Aです。
 市役所玄関近くで反対者が配っていたビラを読むと、岩手県出所の木くずについても放射能汚染が危ないことが強調されている。いま汚染の専門家として最も著名な京都大学小出裕章氏は、最近出た本や講演でも汚染を強調している。
 日高市の受入れについては、木くず出所の明確性と汚染チェックによる安全性から、私は、今回の処理を可としました。現地処理が一番いいのが明らかだが、安全ながれき処理を共同して行うことで震災の重みを国民全体で担おうという思いと理解が必要です。
 説明会で私が注目したのは質疑です。環境的、技術的、行政対応等広範な質問が出ました。どの質問も突き詰めて議論していくと解明・解決点が見出せない難しいものだったと思います。県の答弁は繰り返しの域を出ず不十分さは否めなかったが、質問者の抑制で紛糾にまでは行かなかった。
 私が特に注目した質問がありました。それは、木くず処理を受け入れるという前提で、今まで被ってきたことへの我慢にさらに木くず処理のリスクを周辺住民が負うことについての行政の見解を問うものでした。
 私は“我慢”という言葉が出てきたのにはビックリしました。これほど太平洋セメントの粉じんに関しての直截な言葉を、それも周辺住民から聞いたことは初めてです。質問者は特に激しい表現で言ったわけではなく、むしろ抑えた言い方であったが、その内容は本質を衝いていると思えました。
 木くず処理そのものに関する質問ではなく、一つの事実を対比的に置くことで、隠されていた住民要望と太平洋セメントと行政の対応をあぶり出す表現の仕方に、私は只者ではない雰囲気を感じました。
 そういう問題がもしかしたらあるのではないかと確証もないまま思ってきたので、直截な表現での事実の出現に驚きました。質問をした人物と話してみたかったので、説明会が終わった後、玄関でその人を待ちました。私の狭い交友範囲のためかもしれないが、日高市で今まで出会ったことのないような面白みを感じさせる人だった。