質疑と議会改革―その3

 各項目について、私の質疑の意図は次の通り。本会議での質疑は、予算全体あるいは大テーマを取り上げ、委員会で事業の項目を取り上げようという考えです。この意図通りの質疑ができるわけではない。
 第1回目の答弁に対して、有効な第2、第3の質疑が重ねられるか、これが一つ。もう一つは、途中で、「一般質問でやれ」という横やりが入らないか、です。
 結果として、(6)は「一般質問でやれ〜」のヤジが起こり、担当部長も答えられないということで質疑をとりさげた。他の質疑もヤジが入り、有効な質疑となったとは言えなかった。
 本当はもう少し調査して有効な質疑としたかったのだが、これが精いっぱいだった。
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第8号 1.平成24年日高市一般会計予算について
(1)固定資産税の評価替えによる減収及び企業誘致による増収について。(17ページ、18・2・1・1)
 日高市の一番大きな財源は固定資産税なのでこの減収を問うもの。固定資産税は約36億5000万円で、市民税33億6000万円より多い。市の主財源だが毎年減り続け24年度も減っている。平成24年度の減収の原因は何か、です。
 また、市は「開発許可件数99件」「税収5億円」と企業誘致の成果を何度も宣伝しているが、それは固定資産税にどう影響しているかを問うもの。平成19年度は課税額43社2億6700万円だから5年間で約2億増。市は企業誘致による増収効を強調するが、固定資産税減収との関係な何か、です。

(2)地方交付税の増加要因について。 (22ページ、10・1・1・1)  
 地方交付税は減ると言われてきたが増加しています。24年度13億3900万は平成20年度の倍以上の額。平成24年度は平成20年度に較べ構成率2倍(4.4→8.4%)となり、伸び率も急増している。
 増加の原因は何かを問い、併せて増えることに対する評価も聞きます。また導入された新型交付税(人口要因評価)の影響をを問うものです。

(3)前年度と比較して、財政調整基金繰入金が減額となったがその理由について。(34ページ、18・2・1・1)
 「財源不足を補てんするため取り崩した」と市長の議案説明では言っているが、財政調整基金(市の貯金)を取り崩さなければならない財源不足とは結局いくらなのか。
 昨年の取り崩し4億4700万円から今年度は約3億4400万円。約1億円減ったが、財政調整基金のほかに財源不足を埋める手段は何か。どんな努力をしたのか。財源不足は今後も続く見通しか――等を問うものです。

(4)繰越金3億円の設定理由について。(35ページ、19・1・1・1)
 繰越金を毎年度3億円を計上することの考え方、方針は何か。
 決算剰余金――→?基金積み立て
         ?地方債の繰り上げ償還等に使う
 繰越金の原資の決算剰余金=
 形式収支−繰越し明許=実質収支
             ↓
            ここから次年度繰越金を計上
             ↓
            残額が基金に繰り入れ可能

(5)県市町村総合事務組合に職員の退職手当負担金として、3億5600万円拠出されているが、事務組合における日高市持ち分はどのくらいか。(42ページ、0000002)  
 職員の退職金は、税金から毎年約3億5000万円くらい積立てのための事務組合に分担金として拠出されています。自治体によっては、退職手当の積立てが十分でなく大慌てすることがあります。埼玉県の他の自治体と同じく、日高市は事務組合の積立てで全く安泰、職員は将来の不安なく業務にまい進できる環境にあることの確認を行う質疑です。

(6)固定資産税等賦課事務で3種の委託料が発生しているが、この内容について。 (62ページ、0000076)
 固定資産税に関しては評価事務で3種類の委託料約3400万円がありますが、この内容を問うもの。この質疑から固定資産税の事務に関する合理性を確認しようという意図です。昨年、過去の固定資産税評価のミスで4000万円を還付したうえ、1000万円の付加金(利息に相当する)を一般財源から払いました。固定資産税の評価ミスは他自治体でも発生ししていますが、固定資産税税務を合理的に行おうという機運があり、また行政改革の課題としても取り上げられています。日高市の認識を問うもの。

(7)地域公共交通実態調査事業の内容について  (100ページ、4243002)
 交通の文字を関する新規の事業が計上されています。しかし、「労働費」の中に計上されており、この事業の趣旨がはっきりしません。国際興業バスの廃止に伴う対策の一環としてのものかを問うもの。

(8)幹線市道整備事業及び生活道路整備事業の補償金の内容について。 (115ページ、4181001、4182001)
 項目の内容確認。

(9)消防広域化事業の負担金の算出方法について。(120ページ、4195003)
 5市広域への予算が初めて計上されました。これは昨年の議決に基づく予算化。その時に財政に関して、立上費用ほかの詳細なシュミレーションが行われていたが、それとの関連を問うもの。

(10)指定文化財維持管理事業の指定文化財補助金の内容について。(148ページ、1031006)
 聖天院の山門修理に832万円、来年の分も含めると2000万円が計上されているので、その内容を問うもの。


(11)埋蔵文化財調査事業の内容について。(149ページ、1031008)
 高麗石器時代遺跡の調査費用として約1200万円計上されているので、その内容を問うもの。また国道299拡幅に関連して50メートル離れたところで県の遺跡発掘調査も行われるが、重複した調査とならないかも問う。

(12)特殊勤務手当の積算方法について。(160ページ、給与費明細書)
 特殊勤務手当に関しては、国の行革指針は手当の合理的理由がないとして廃止の方向です。近隣の自治体も廃止が多い中、日高市では3種の手当があります。職務に関連する仕事を行うのになぜ特殊として加算を行うか理由が付きません。内容の確認を行い併せて、上記意義を問うもの。

第9号1.平成24年日高市国民健康保険特別会計予算について
(1)療養給付費の増加理由について。(18ページ、2083012)
 自治体財政にとって最大の課題である医療費。日高市でも前年比10%の伸び、今後この趨勢が続き、財政ひっ迫となります。この増加の原因を問い、ジェネリック医薬品等の削減の対策を問うもの。