質疑と議会改革―その2

 議長に提出した質疑は次の通りです。実際は、議長に渡すわけではなく、事務局に提出し、事務局との項目の打合せになります。
12.3修正前質疑.pdf 直
 これが、事務局との打ち合わせの結果どうなったか。今までの質疑の経験からこの項目は拒否されるだろう、という予想はしていましたが、案の定、次の項目は削除です。
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 1.平成24年日高市一般会計予算
(1)平成24年度予算において、任期中に実現を期したいとする政策を、市長は、どのような考え・方針のもとにどの予算に具体化したのか。
(6)市債の発行方針、発行方法について。
(15)地域主権に係わる第1次、第2次一括法の日高市平成24年度予算への反映は。
 1.平成24年日高市高麗川駅西口土地区画整理事業特別会計予算
(1)「工事、移転がすべて完了」を受けての本事業の投資効率の検証について。
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 市長への質疑は、ダメであろうと予想していましたが、しかしこれは最も必要なことだと思っていたので、敢えて最初に入れておいたもの。他の削除も予算書に書かれていない、という理由です。
 活かされた項目についても、予算案に書かれていない“余計な”言葉を削除し、あくまでも予算書にある言葉について直截に聞ける質問とするようにアドバイスされた結果がこれです。アドバイスとは言え、それなりに当方も抵抗した結果です。
12.3修正後質疑.pdf 直
 ここで疑問が出ます。 
 ①なぜ事務局が、この質疑の内容の点検・調整を行うのか。
 ②削除・修正はなぜ必要で、それは妥当なことか。
 この2点が、まず最初の疑問。これらの制約が“正常な”議会の運営に必要な事前の調整なのか、あるいは議員の発言を封じるためのものなのか。封じるという意識はないかもしれないが、結果的にアドバイスを通り越して干渉ともなり得る。
 これは、依って立つ立場から言えばいろいろです。この辺のところから議員であれば、議会改革に対する姿勢の違いが出てくるのではないかと思います。報酬という現実利益に関係し、自己の依って立つ議員としての位置も関係してきます。議会の内なる事情として、これを文章で説明するのはなかなか難しい。
 質疑は、議長に提出されるものだから、議会の本来の制度上から言えば、議会運営委員会が処理しなければならないことは明らか。しかし、議会運営委員会はその気はない。私も実を言えば議運のメンバーであるが、そんなことは言われたことがない。本来は質疑を受け取った議長が議運に諮問して、質疑の審査と取りまとめを行わなけれならないのだが、そうはなっていないのだ。委員長はそういう仕事を行うという理由で、報酬1カ月分に月1万6000円、年間19万2000円と期末報酬20%が加算される(副委員長は月8000円、年間96000円、報酬20%加算)。
◎「事務局はやむを得ずこの事務を行っている?」(これは、あくまでも私の類推する解釈です!)とすれば、議長、議運委員長に対しては、規則に忠実に先例集に忠実にやらざるを得ない。申し合わせの塊である先例集が 時代後れであることは明らかだが、議会がそれを良しとしている限り事務局はその方針でやればいいわけです。
◎同時に、そのことは、議員が市長部局に余計なことを聞かせないようにする制限を課すことになり、執行部の手間を省くことにつながる(事務局人事も市長の采配下にある)。
◎執行部の方針を良しとする議員、会派もまた、先例集で余計な発言を封じることで、市長の方針を支持することになる。ここに主として保守系議員による市長翼賛体制が出来上がり、それに気づいた市民の議会不信が起こっている。
 こういう私の構図は間違っているだろうか。この1週間、同時進行する議会審議の場面を見ながら考えてきたが、こういう文でこの原稿を終えよう。
 予算案を審議する議会で、
 「平成24年度予算において、任期中に実現を期したいとする政策を、市長は、どのような考え・方針のもとにどの予算に具体化したのか」
 私のこの質問がなぜ出来ないのか。この質疑が出来なかったら議会に存在価値はあるのか。一方で、質疑では市長の答弁はとうとう一言もなかった。