日高市浄化槽管理者講習会

 浄化槽管理者講習会が開かれたので勉強のために出席しました。これまで2回にわたって家庭排水処理について一般質問をしてきたので、実際の行政実務はどうなのかを知るにはいい機会と思ったからです。
 26日午後1時30分から、会場は高麗川公民館。
 出席者は20名。昨年、新築で合併浄化槽を設置した人、約190世帯に直接案内を出し、さらに全市広報を行ったという。私は何で見たのか? 自治会の回覧だったように記憶するが、しかし武蔵台は下水道区域で関係ない。全市広報の一環で目にしたのだと思います。
 22日の地域メディアに関する記事で、文化新聞がこの講習会を報じたことに関して、私は環境課が“浄化槽対策草の根作戦”(草の根は一般質問で答弁にあった言葉)の開始かと思ったのだが、違いました。
 この講習会は3年ほど前から実施しており、年1回の定例の講習とのこと。新しい施策の開始ではなく、私の早とちりでした。しかし、こういう広報が浄化槽対策では一番重要だと思うので、繰り返しの周知は必要です。 主催は日高市市民生活部環境課、後援が社団法人 埼玉県環境検査研究協会。
 講習会は検査協会職員による講演が主な内容です。
 「浄化槽の基礎知識と維持管理について――浄化槽と上手につきあう暮らし方」
 配布資料は、
 ①「家庭からきれいな水をめざして」(埼玉県環境検査研究協会 施設検査本部 浄化槽検査課)、
 ②浄化槽法定検査の実施についてのご案内、
 ③水質に関する検査依頼書、
 ③「よりよい水環境のための浄化槽の事故管理マニュアル」(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 廃棄物対策課浄化槽推進室)
 講演は、実務の担当者の話だったから一通り過不足なく触れてあると思ったが、出だしに高麗川などの河川の話をかなり長く話すのはどうか。いきなり本題に入って、参加者の目的意識に応えた方がいいと思った。
 暖房とパワーポイント使用で暗くした部屋は、睡魔を呼ぶにはピッタリだ。話し方もイマイチの感。こういう説得と推奨のことであれば、メリハリを利かせた話し方が必要なのだ。こんなぼそぼそ話しではねぇ。
 詳しい内容については省きますが、一度聞けばしっかり頭に入ります。配布された資料を読めば意義、役割もしっかり理解できます。外郭団体まで作って相当な予算を投入しての県の体制に、市の専任体制を重ねれば、事務事業としては堅固な仕組みを築いていると言えます。
 しかし進まなかったし、日高市は進む状況にまで至っていません。埼玉県は全国ワースト3(今年はランクが1つ上がって4かもしれないが)。日高市もあまりの点検必要数と検査率の低さにもうお手上げの状態で、草の根で少しずつやらざるを得ない状態です。
 埼玉県は、知事が“水辺再生事業”として100カ所も公共事業化させた河川事業を推進してきたが、目に見えない地味な事業は後回し。本当は川にとって環境にとって県民の将来の生活にとって最も重要なことでありながら、本末転倒と言わざるを得ない。
 なぜ家庭排水処理計画が進まないのか、なぜ市民の関心が薄いのか。見えない問題に目をつぶるのは、原子力と同じ構造です。
 根本的な問題があるように思います。政治家の責任が大きい、むしろこの部分が一番問題ではないのかと思います。行政は、ある意味で政治の結果としてのこの状況に四苦八苦しつつ決定打を打ち出せない。努力不足もあるかもしれないが、ここまで拡散した状況は如何ともし難い。
 県知事は放置した結果のワースト3は恥ずかしかったはず。部局の尻を叩き予算をつけようやく動き出した。
 日高市の土地規制緩和を進めた県議はどうしたか。この対策に動いた形跡はない。規制緩和で排水が必ず問題になり、その時には一転、今度は下水道整備をという話が出てくるだろうと当時から私は予想していたが、意外に早く出てきた。もちろん市街化区域という大前提がありそんなことは問題外であろう。
 市長はさらなる規制緩和に反対の立場で市長に当選しました。しかし、その延長にあるこの家庭排水処理問題、環境問題で行政が不可能な状況をフォローする発言はない。私の2度の一般質問でも、市政全体の方針としてのこの問題に触れる答弁は聞かれなかった。
 政治の責任の連鎖というか、そういうものを漠然と感じるので、その印象を書いてみました。その他に事務手続きの問題や啓発、広報に根本的な問題があるように感じました。 家庭排水処理対策の浄化槽取り組みで新しい試みを始めた自治体が近くにあります。
 会場に陳列されてあった浄化槽の模型。