修復工事


 屋根のふき替えが終わって修復が完了したと思っていたら、何か大がかりなことが始まりました。車を止めて見に行きました。

 工事看板。産業振興課発注の納屋と土蔵の整備工事。予算1092万円。トイレの方の発注者は大沢市長ですが、工事額が書いてありません。この看板だと、別工事であるがどうなんだろう。
 
 土台の交換作業とのこと。屋根のふき替えが最初に行われましたが、この種の工事として土台が先なのか、屋根が先なのか専門的なことは私には分かりません。一度に整備工事を行わずに屋根と土台を別にやったことはなぜなのか。
 土台を全部変えるとなると、全体を浮かせなくてはならない。鉄レールを井形に組み、それにワイヤーで柱を固定する。そして、8点をジャッキで支え、均等に上げていきます。この作業をするのは、曳家と呼ばれる家全体を移動させる業者です。

 土台の素材はクリ。大工さんがこれを新しくした後、全体を下ろす。鉄筋が見えるのは、土台を支える玉石をコンクリで固めて固定させるため。
 引き上げてある柱の“ほぞ”を覗き込んで見た。短いなぁ! 土台の方の穴も浅い。こんなんで地震はだいじょうぶか。思わず素人ながら思いました。過去に手を加えた痕跡があるようです。
 隣接する土蔵はしっくいを塗る作業で、伊賀城修復で使われたロールで塗る新しい方式が採用される可能性があるようです。いま土蔵の白さは塗料。ほんとうのしっくいの白さはまっ白い感じではなく、納屋の壁が本当のしっくいだという。
 職人さんの話は面白い。細かいことになるほど伝統の技術があることが分かります。
 この整備と修復が行われ、裏に建設されているトイレができると、受け入れ体制が整うことになると思われます。
 この古い民家の1億5000万円での取得以降、整備にどのくらいのお金がかかっているのか。こういうことがスパッと分からない。巾着田は国や県や市の一般財源やいろいろな資金が投入されているのだが、そういうデータや説明は簡単にできると思うのだが、それを説明しようという意識があるかないかだけのことだと思う。
 この狭い地域に、地方自治のお金の使い方の事例がたくさん詰まっている。市民はそれを全部知っていいし知るべきだと思う。知った方が何事もうまくいくようになると思います。
 それを自分で調べると膨大な時間がかかる。役所のファイルには全部データがつまっている。