30代市長の活躍にみる新しい地方自治
7日、お茶の水の総評会館で開かれた「がんばろう、日本!」国民評議会が主催したシンポジウムに出席しました。商工会賀詞交歓会があったので第1部には間に合わなかったが、第2部始まったところで入室。グッドタイミングでした。
第7回大会ということで、300人くらいは入れそうな広い部屋は満室。大会スローガンは「自治分権・オープンな協働を促進するための新しい多数派形成を」というものでした。
シンポジウムのプログラム
第1部 開かれた凌ぎの時代の外交戦略
パネラー:中西 寛 京都大学教授
大野元裕 参議院議員
戸田政康 がんばろう日本国民協議会代表
第2部 自治分権の深化と拡がり〜古い常識から新しい常識へ〜
パネラー:福島浩彦 元我孫子市長
山中光茂 松坂市長
望月良夫 有田市長
熊谷正人 千葉市長
隠塚 功 京都市議会議員
諸富 徹 京都大学教授
集約コメント 戸田政康
目的は第2部です。福島氏は公務で欠席だった。山中、熊谷、望月の3氏は30代市長として、有体に言えば“今を時めく30代市長”となります。
この3人が非常に面白かった。特に山中松坂市長と、熊谷千葉市長。2人の行政全体について細部に亘る詳しい知識とマニフェストを強力に推し進める姿勢には感心しました。
2人に共通する特徴の一つは、市民参加を徹底的に実現させることです。それも呼び掛ける参加ではなく、市民の自発的・持続的参加であり、仕事のパートナーとしての位置づけです。
その前提となっているのは情報公開。多くの自治体で、口では情報公開と言いながら実態が伴っていない中で、両市長は、情報公開がなければイコールパートナーはあり得ないとキッパリと言っています。
熊谷市長は、本当の参加は「協働」でもなく「市民参加」でもなく「市民自治」であるとし、前2者の言葉を使うのを所内で禁じている。それくらい意識下、意識上、実際の行動の革新を試み、市民を市政運営の株主、ステークホルダーとして根付かせようとしています。
山中市長も狙いどころは同じ。市政の末端伝達組織でしかなかった地区組織を、行政の単なる下請けではない自発的仕事創造組織に変えていきました。その結果、各地域が競うように地域振興に市民の力を注ぐようになる。
これらは市長自身の大変な努力とむずかしい組織改革を伴うことですが、これを当然のこととし、その成果を自信満々に語るところに30代市長の面目躍如があります。恐るべし、この突破力!
そして、この点が一番重要な所ですが、2人に共通するもう一つの共通点。
財政危機の認識です。歳入・歳出に関するあらゆる手立てを進めながら、最も強力な下地として、市民をパートナーとして一体経営に誘う(いざなう)こと。
私は思いました。ここに、新しい地方自治があることを。私が議員として目指そうとする形が、形態は違っても同じであることが確認できました。