ロシアのプーチン引っ込めデモ

 何の番組だったか忘れましたが、NHKテレビがロシアのことを解説していました。
 モスクワでの「プーチン引っ込め」デモが、7万人だったか相当な規模で行われ、それが一過性ではなく、今後、一層盛んになる、そして、プーチン氏の大統領就任が国民の大反対の中で行われると解説者は予想していました。
 それを見ていて、「おーっ、ついに始まったか」と思いました。
 この1年ほど、ニュースや特集番組でプーチン氏とメドベージェフ大統領が並んで映る場面が多くありました。また、プーチン氏が柔道の稽古やバイクの運転、ジェット機の操縦等彼の才能を誇大に伝える番組もありました。
 こういうテレビを見るにつけ思ったのは、この2人は大統領職をキャッチボールし合って、随分いい気になっているなぁ、ロシア国民はこの2人組をどう思っているんだろうか、ということでした。この2人に何の恨みもないのだが、とにかく彼らの映像を見ると、そのことばかり思っていました。
 私のような海外の一市民がすぐこのように思うのだから、当地の人々はどうなのか。自分に何の関係もないのだが、ただ気になっていた、ということです。



(以上の画面はNHK)
 ロシアでは新聞が政府の検閲を受けていて、市民は一般のメディアを信用していないということは、以前から言われてきました。そこで市民はインターネットから情報を取る。12歳以上のインターネット人口は4700万人と言う。
 ロシア人は隣近所で井戸端会議をやるのが好きで、ネットからの情報をもとにおしゃべりをする。そして、プーチン引っ込め情報はあっと言う間に拡散し、ネット上でのデモ実施の呼び掛けに応えるのです。
 日本では、それは起こらないでしょう。まず社会情勢を話し合う習慣がない。また話す場所も仲間もいない。集まっても会話が発生しない。テレビをはじめとするメディアに家の中で向き合っていれば済む。日本の大人が家の外で話す習慣がなく、内弁慶になってしまうのは環境のせいだろうか。
 自分の周りを見回しても、主義・主張を超えて、気楽に社会情勢や人生を話せる仲間は意外に少ない。