楽しい財政勉強とその仲間

 日高市財政の勉強を会のテーマにあげて1年が過ぎました。発足時20人ほどのメンバーが集まったが、現在、常時勉強会に参加するのは十数人。かつて財政の勉強を行ったことはあるが、これほど連続で勉強したのは初めてです。今日は、日高まちづくりフォーラムの忘年会。
 市民が参加する地方自治の勉強を開始して8年、メンバーはその時々で変わったが、ここ1年は約10人が月2回の夜の勉強会を毎月続けてきました。こんな勉強会は日高市で唯一だろう、いや近隣地域にもないかもしれない。よく続くものだと感心します。
 当然ながらメンバーの考え方、知識レベルも関心範囲もいろいろ。
 そのいろいろに引っかかるように勉強する。そのためには、面白く勉強する、楽しく勉強する、これがモットー。しかめ面して勉強することではない。理屈よりも素朴な疑問なのです。
 メンバーが持ち寄る、あるいは勉強で仕入れてきて披露するネタはそれだけで面白いのだが、その話題を決算カードの中に埋め込むとどうなるのか。そこから数字の吟味と探索が始まります。遅々として進まないが、そこがまたいいところだと割り切ればいい。
 1枚の決算カードに市政の姿が表されている。その数字を手繰っていくと、見えないものがおぼろげに浮かんできます。日高市の政治と行政が何を目指してきたか、税金の使い方から日高市の根っこが見えてきます。その根っこの先に地域の風土と風化しないウメボシの種みたいなものがあるのかもしれません。
 市民版の財政白書をつくる予定で勉強しています。初歩的でもいいから皆の議論と学習の成果を出したい。それが、日高市民1人当たり13万9801円の税金がどこに行くかを知るきっかけになります。
 12月議会の一般質問で、市の中期財政計画がないことを問題にし、その策定を質した。答弁は24年度中に作るという。やっとである。他市では当然のことが日高市ではできていない。
 財政計画もないところで、あるいは市民にも議会にも財政根拠を示さないで重点施策が決められ、あるいは逆に決めるべきものが決められていかない。ごみの有料化も一般財源財政問題が主であり、そもそもの意図がそこなのに、一切本筋に触れずにごみ減量やCO2削減などという、循環論法のすり替え議論を平気でやる。
 国や県に連係する計画行政の遅れははっきりしている。福祉・医療系の計画は義務づけられたもので、この遅れはあり得ないが、行政能力が発揮されなければならない基本計画その他の分野の計画の遅れと内容の薄さは否めない。議会が行政と護送船団を組んでしまって平気でいられることにも原因があります。
 おまけに、市長のマニフェストもない、市政をどういう政策・姿勢で運営していくのかリーダーの発信もない。そこを質そうにも、暖簾に腕押しの感なのです。
 市政の軸がはっきりしないことは、組織の運営・マネジメントにも影響していないだろうか。