新人議員研修

 新人議員の研修会。午前中は市役所で「第5次総合計画」の解説で、午後から上下水道の施設見学および議会の約束事のおさらいです。
 総合計画については大体、頭に入っているつもりでしたが、担当の企画財政部の職員の話しは、簡にして要を得ていて頭を整理するのに役立ちました。また重要なポイントも分かり非常に有益でした。
 総合計画が出来た経緯について詳しく解説がありました。このことに関してはいろいろな問題が含まれているのですが、それはさておいて、今日感じた重要性は、24年度から開始される行政評価です。この問題は、私の関心あるテーマとして、先日の定例会一般質問でも簡単には取り上げました。
 執行部による政策評価という行政改革の直接的なテーマと同時に、市民参加、情報公開などいろいろな観点からタテ・ヨコ・ナナメに眺めていきたいと思います。

 午後からの施設見学はまず水道からです。
 高岡の浄水場は以前にも見学したことがありました。あれは何の時だったか、多分、マスタープラン市民会議の時では無かったかと思います。今日は、そのときよりも詳しい解説付きで有益でした。知識として知っていることでも“現物”が移動する場所や施設を見ることは、数倍もの情報基盤を得られることで非常に有益です。
 日高市水道事業の初期のころの状況については、私はかなり詳しく知っています。巾着田ダム湖にした自前の水道事業から、埼玉県水も受け入れる方針に変更した昭和40年代後半のころの話です。
 巾着田の在り方についてソクラテスの会が提言を発表した時のこと。そもそもなぜ巾着田の72パーセントもの土地を市が所有しているのか、という疑問から発した調査でした。その時のダム湖用地買収から工事の進捗及び政治的背景まで、議会記録を読みメモをとりました。日高町の近代都市への発展のエネルギーを感じると同時に、このときの遺産が残っていることを感じることもあります。
 当時の駒野町長が決断した県水の受け入れで出発し今日に至る水道事業。それを記念する碑が前庭にあります。


県水を導入した駒野町長の石碑


巾着田ダム湖にする独自水源を追求した大澤町長の石碑


 現在の水道事業については「日高市水道事業長期計画」に詳しく述べられています。この報告書はよくできた資料でとても分かりやすく参考になります。見学説明の大半もこの中で述べられておりますが、やはり施設を前にしての説明には説得性があります。
 日高市の場合、原水の採取の全量が井戸からで、水の品質の良さを改めて知りました。そのため、凝集剤の投入も少なくて済んでいるようです。水質が良くて浄水コストも少なくて済みながら水道料金が割高なのは、住宅の散在による管路の延長という理由があるとのこと。


集中監視装置。更新で最近新しくなった。


予備電源のジーゼル発電機。出力1800キロワット? こんなバカでかいジーゼルを初めて見た。騒音と排気ガスがすごいらしい。計画停電のお知らせの時、燃料切れで給水ストップの可能性のあり、とされていた。


県水を日高市採取の原水とブレンドするための配管


急速濾過装置。

 次は、高萩の浄化センター。汚水処理の現場を見るのは初めてで、地下にある多数の機器類が設置されているのには驚きました。
 多数の配管とその中を移動する汚水を動かす動力、浄化の程度を挙げていくための機器類。当然、水道施設より複雑で規模は大きくなります。この機器類の耐用年数が迫っており、今後、どう維持管理していくかが課題だという。
 施設のハード面だけが注目されますが、それらを稼働させるソフトと人材も重要です。耐用年数が近いとは言うものの、管理棟はもちろん機器類も全体としてそれを感じさせません。それだけ日頃の維持管理が適切に行われていることだと思います。何でも新設出来ればいいのですが必ず財政面の問題が付きまといます。これからの時代は出来るだけ長持ちさせる技術の開発も期待される所ですが、それを十分意識された運営が行われているようです。
 日高市民から排泄されたものが浄化されて小畔川に放流されるまでの処理される工程を見ると、人間の生活がいかに自然に負荷を与えることであるかが分かります。トイレでジャーっと流してしまえば済んでしまう快適生活の後のことを考えなければいけない。電気も正にそれを考える時代になってきました。
 この浄化センターが処理する下水は、公共下水道利用人口に対するもので、平成26年の計画達成年で60パーセント。後の40パーセントは、自宅で処理されて川や地中に放流されるわけですから、むしろこっちの方が重要だということが分かります。
 埼玉県は広域下水道を推進していて、日高市の近隣自治体も参加している所が多い。単独自前で浄化システムを持つメリットは何なのか。これを十分活かす運営であってほしいものです。