高校同窓会、辛坊正記氏講演会

 川越高校の年に一度の同窓会である初雁会に出席しました。総会に先立って行われる講演会、案内を見て、これは面白そうだと思いました。
 講師は今をときめく“辛口国難評論家”である辛坊兄弟のお兄さん、辛坊正記氏です。この優秀な方が高校20回生とは知りませんでした。私は17回生(昭和40年卒)です。
 弟さんも川越高校の卒業です。辛坊兄弟が川高卒業であることは、父親が自衛隊関係者で当時の職場が入間基地であったから、という事情のようです。
 辛坊正記氏は、1949年大阪府生まれ。一橋大学商学部卒業後、住友銀行に入社。慶應義塾大学経営管理研究科1年制課程修了(首席総代)。コロンビア大学経営大学院修士(MBA、優等卒業(ΒΓΣ会員))。ニューヨーク信託会社社長、住友銀行アトランタ支店長、住友ファイナンスエイシア社長、国際金融法人部長を歴任。(株)日本総合研究所を経て現在、(株)日本総研情報サービス代表取締役専務。
 これは、講演案内にあった略歴ですが、ネットに同じ文章があります。これはネットからそのままとりました。
 実は、弟の辛坊治郎氏の『日本の恐ろしい真実』はもう読んでいました。土曜日の朝の4チャンネル、番組名は忘れましたが、歯切れのいい司会と問題の捉え方が面白かったので、時々、見ていました。本も、ニュースキャスターだけあって、日本人の耳に痛い事実を取り上げて痛快にやっつけるところに、大阪橋本知事的面白さがあり、私も読み飛ばしながら「1冊で日本の今が分か」(カバーの宣伝文句)りました。
 お兄さんの正記氏は経済の専門家ですから、講演のテーマは「日本経済の真実は」。これは『日本経済の真実――ある日、この国は破産します』(辛坊治郎・正記著)という兄弟で出版した本のタイトルと同じです。兄弟で出版した本はもう1冊あり(『日本経済の不都合な真実』)、この2冊で80万分売れたそうです。1冊1000円として、印税8000万円、すごいです。
 さて正記氏の講演です。本の最終章は「日本を滅ぼす5つの悪の呪文」として、巷で言われる5つの漠然とした“良識的”主張を槍玉にあげ、それをコテンパンにやっつけるのだが、講演の内容も基本的に同じです。
 「経済の豊かさより心の豊かさが大切」「大企業優遇は止めろ」「金持ち優遇は不公正だ」「外資に日本は乗っ取られる」「金をばらまけば景気が良くなる」――これが辛坊正記氏の標的です。
 この背景にある主張は、企業の活動から生まれる富こそが国民の幸せの源泉であるから規制を行うな、法人税をもっと下げる必要がある、供給サイドのことを考えよ、ということです。そして、規制を設けない貿易こそが日本の生きる道、と喝破します。
 たくさんの事例を取り上げながらの理論的裏付けを取っていきます。事例のいくつか。
・1400パーセントの関税で守られているコンニャク――総理大臣を4人も出している群馬と言う政治的に強い地域の産物。
・金融モラトリアム法で弱い銀行も生き延びさしてしまった。相変わらず持たれ合いで行く日本の社会。
社会主義的介入と見えるほどの政府の規制が国民をダメにする。
 そうです。小泉・竹中路線の全肯定の論調で、兄弟の本の主目的はここにあります。とすれば、当然、賛否両論激しい対立があります。ネットでも兄弟の本に対して、読者も経済学者も参戦して議論が沸騰しています。
 

 名誉会長の市長がまた話しました。日高市が全国800市のうち住み易さで88位、埼玉県で5位。財政健全度で107位、埼玉県で11位。成長度では全国14位、埼玉県では1位――東洋経済新報社自治体ランキングです。
 市長はよほどこれがお気に入りらしい。私が出席した会合では、この話題に触れたのは3度目だから別の幾多の会合でも話していることは間違いないでしょう。ランキングが上がることは確かに誇らしいことですが、指標だけではない中味が問題ということは当然考えられます。
 市長はこの辺はどう考えているのか、聞いてみたいところです。しかし議会で聞いても答えてもらえないでしょう。何を聞いても自ら答弁はしないから。