天恵緑汁づくりに小川へ

 小川町の有機農家Yさんから電話あり、天恵緑汁を作りたいので教えてほしい、とのこと。Yさんのようなプロの有機農家が、私の話に関心を持ってくださったのは嬉しいことです。
 小川町は、今や日本一の有機農業地帯として知名度急上昇中で、この間、農林水産省主催「豊かな村づくり表彰事業」の天皇杯を授与されました。金子美登さんの下里農場を中心とする有機農家のグループの粘り強い努力の成果です。Yさんもその一員です。
 最近では有機農業と連携する加工や食材・食品、レストランなども増えてきました。私が目指すまちづくりが随分進んでいます。Yさんのような有機農家が集団で存在することが大きな理由です。
 天恵緑汁の材料を何にするか――ヨモギ、セリ、タケノコのうち入手しやすいものがあるかどうか聞くとヨモギだという。採取地を下見して確認しておくようお願いしたが、午後からの予定で行くと、ヨモギ取りで夕方までかかってしまうかもしれない。
 そこで、こちらでヨモギを採取していくことにしました。女影の田んぼの水口側に隣接する休耕地にある群落です。ここのヨモギは素晴らしい。株が大きく一か所でまとめて取るには好都合です。


 風に吹かれて葉の裏側が光るヨモギの群落。午前中かかって二つのビニール袋にそれぞれ大体3〜4キロ採りました。これだけあれば十分です。大きなカメに入れても余るでしょう。


 自分用に仕込むカメとマスコバド糖の25キロ袋を持って出かけました。マスコバド糖はフィリピンのネグロス島有機栽培されることで知られる黒砂糖です。精製されていないのでいろいろな養分を含み、甘みもまろやかでとてもおいしい砂糖です。将来、この産地を見に行きたいと思っています。
 肥料等は一切買わないのですが、天恵緑汁づくりに欠かせない黒砂糖は、日本自然農業協会からこの大袋を購入します。高価なのですが、一袋を買えば何年ももつのでそう高くつくものではありません。
 天恵緑汁づくりには、ヨモギの分量の約半分の黒砂糖を使います。ヨモギは水分の出が悪いので、ざく切りにし黒砂糖にまぶしてカメに入れ重石をしておきます。1週間すれば液があがってくるはずです。Yさんの奥さんは、高価なマスコバド糖をふんだんに使うのを見てびっくりしていました。
 やはりヨモギは4キロずつあり、二つのカメに仕込んでも余ったので、奥さんは草餅にできると喜んでいました。仕込んだ後、育苗用ハウスに行き、定植が済んで余っている夏野菜の苗選び。タネ採りを自分で行い、交配をさせて自分ブランドを作りだす話は楽しい。忙しくて苗の準備を何もしていなかったので嬉しい限りです。


 帰りにいただいたおみやげ。Yさんが栽培した小麦から作った乾麺と同じく大麦を加工した麦茶です。栽培する作物を加工するところがあることは、有機農家の経営に必須です。小川町にはこういう循環を伴う地産地消が進んでいます。日高市では現状無理、有機栽培の環境そのものがないので。それに向けて仲間を募っていきたい。