よし乃郷バス見学

 ときがわ町に本拠を置くよし乃郷グループの医療・福祉施設の見学に行きました。食を通した健康生活を提唱しているハッピーメイトの齋藤ミチ子さんの呼び掛けです。参加者25人、施設が派遣してくれたバス利用で快適でした。
 以前、齋藤さんの企画で、訪問先であるよし乃郷理事長、馬場眞美子氏の講演会「健康こそ人生の宝」を開催したことがあります。その時、私は司会を勤めさせていただきました。以前から齋藤さんをはじめ何人かの方からこの施設について高い評価を聞いていたので、待望の見学の機会が来たという思いです。
 よし乃郷グループは、理事長の馬場氏が出身地のときがわ町と隣りの鳩山町で、次のような施設を運営する社会福祉法人と医療法人です。
 1 医療法人真美会麻見江ホスピタル:病院・診療所
 2 コミュニティセンター:地域の人々の利用施設
 3 社会福祉法人よし乃郷:複合福祉施設、個室対応の新型特養
 4 よしの佐久良有限会社のグループホーム
 5 医療法人よし乃会たまがわクリニック
 「健康こそ人生の宝」という馬場氏の思想・哲学は、実際の見学を通してはっきりと実感できました。よくぞここまで徹底している、と思えるほど、施設の設計、運営の隅々まで行きわたったいます。


 平成12年に初めて建設された複合福祉施設よし乃郷本館のロビーから見た中庭です。ロビーにある馬場氏の母堂の胸像。現在の施設運営は、母親の夢であった誰でも幸せに暮らせる地域コミュニティの実現を目指すものであると言う。内部はとても余裕のある広さを感じさせます。説明の職員によると、部屋も廊下もなにもかも全て規格より広く設計してあるという。内装も入居者に分かり易くしかも暖かい雰囲気を出すため、ピンクを主とする独特なものです。


 グループホームで使われている小型バス。日高市まで迎えに来てくれました。


 車いすで入れるお風呂。介護保険当初は動ける人が多かったが、現在では車いすの人が多くなり、このような風呂が一般的になりました。


 建物全体が回廊式になっており、入居者が移動できるようになっています。しかし、現在では動けない入居者が多くなり、介護の方針もこじんまりとまとまって見る方式に変わってきました。
 

 回廊から眺める新緑の景色。ときがわの森林が目の前に広がります。


 ホスピタルの隣りにあるコミュニティセンターでの食事。地場産の3種類の粉をブレンドして作った食べ放題のうどんに野菜を主としたメニューで大変おいしい。安全な食材での食事の充実が馬場氏の考え方の大きな特徴です。そのために自前の農場で栽培し、担当の職員を配置して雇用を生み出す。食事の後、馬場眞美子氏の話を聞きました。
 現在、職員530人。80歳の老人も働いているように、いつまでも元気に働き、そして一線から退いたら全ての段階に対応できるグループの施設に入居する。それまでは、この地域で楽しみ、健康な人生を謳歌する――理事長の考え方です。働ける人のためにアパートもこれから建設すると言う。正に健康に働き老後の幸せも保証する、雇用と福祉から起こす地域コミュニティの理想です。
 これは、他に余り例のないコミュニティ建設だと思います。コミュニティの理念、理想とその実践は、歴史上たくさんの実例があります。宗教を中心とするもの、農業を核とするもの、等いろいろな形があります。また純化を求めて閉じていくものが多いこともよく知られています。
 ここでコミュニティ論を展開するのは、私の手に余ることですが、ここには新しい発想による現代的コミュニティが建設されつつあると感じました。介護・福祉では国が定めた仕組みの中での、点数制に従いその点数を上げることが運営の基本となっていますが、その枠に収まらない、そもそも原点が異なる発想と仕組みがあるように感じます。このモデルは震災地の福祉の復興に役立つのではないだろうか。
 再度、バスツアーが企画されます。参加自由、もう一度行きます。