総合計画市民会議と市民コメント――その3

【関連する記述部分】
「基本構想 第4章 土地利用の基本方向 2土地利用と地域・ゾーンの別整備の方向」


【補完したい考え方】――市の当初案に対す私の意見
■住居系・商業系地域
 土地区画整理事業に関しては、市の大規模事業としての投資効率を勘案し、事業評価を逐年で行い、採算を検証していくべきと思います。
■工業系地域
 「地区内工場の適切な再配置を促進し、用途の純化を進める」とはどういうことか、意味が不明です。具体的な土地を想定しているようですが、施策の体系の中には、相当するものがないようです。
 再配置といえば、6か所に分散する(産業系新市街地を含む、西武車両基地除く)工業系地域の再配置が今後の10年の都市計画では重要ではないかと思われます。特に、産業系新市街地から工業地域に移行させた旧焼却場地域については根本的に再考の余地があるのではないかと思われます。
■産業系新市街地地域
 この名称の地域は1カ所となったが、混淆を進めるようなあいまいな概念の地域であったと思います。この名称と地域概念は地域を限定すべきで、現状の混淆をさらに促進することは、この地区の抱える問題を増幅することになると思われます。
 この地域はもともと「むさし研究の郷構想」地域で、本来の趣旨が達成できず、埼玉県がこの施策を中止とした性格のはっきりしない地域でした。その上にさらに産業系の土地の規制緩和が重なって、住宅と各種産業施設が混在する地域となってしまったという経緯があります。
 今後10年、この問題性を整理しないで、あいまいな地域概念を残して産業誘致を行うのは問題ではないかと思います。埼玉県ではすでに軌道修正し、「むさし研究の郷構想」に伴う不十分な企業誘致政策から、インター周辺地域に企業誘致を集中させ、環境との共存の厳しい方針を打ち出しています。
 35ページには、「先端技術産業を中心とした研究開発」という「むさしの研究の郷構想」の主目的で全く実現性に乏しかった内容の文面が依然として使われています。日高市においても、経緯の仕分けと問題の把握をキチンと行い、将来のあるべき地域の姿を念頭においた構想を示すべきと考えます。なし崩しとあいまい性が結びついているのではないかと思われます。
■森林保全地域
 「将来の誘導」に、日和田山周辺の森林保全地域は、「これまでの土地利用区分を基本的に継承」とありますが、この意味が不明です。また「市民の財産として育成、保全」とありますが、基金などを投入しての山岳地帯の購入の意味を再検討する必要があります。