伐採現場再び


 マミーに買物に行ったとき、例の斎場前の伐採場に大量の丸太が積んでありました。今回は太い丸太が大半です。見に行きました。丁度、1時前後だったので作業員の休息が終わった頃でした。
 4人います。とすると、この間社長と話したとき、遠くで作業をしている人を指して、うちの社員だと言ったあの4人のようです。みな若い。聞くと、仕事は危険だけれど面白いとのこと。皆、筋肉マンだ。そりゃ、そうでしょう。いくら機械化とはいえ、伐採するときのチェーンソーを使うには相当の腕の力がいります。伐採した雑木を斜面で片付ける作業は体力勝負です。
 今日は、この間だと違って、金目のものが多いようです。丸太が太い。いくらくらいか太いのを指さして値段を聞くと、しばらく目測して、5万くらいかなという。この間も2代目社長は、「立米(りゅうべい)」という単位を使って説明してくれたが、よく理解できませんでした。
 調べてみると、立米とは木の体積のことで、縦、横、高さをメートル単位で掛けた数値で、1立米は1メートルの四角を想定したものです。この基本価格は原木市場で日々変わります。つまり生きた市場価格だと言うことです。
 それで分かりました。4メートル単位で切ってある丸太を適当に指さして価格を聞くと、社長も今日の若者も、しばらく考えるのです。専門家なのに何でぱっと即答できないのかな、とその時思いました。
 しばし考えるのは、直径は様々だから、縦横目測して1立米(りゅうべい)の基本数値を出し、それに相当する市場価格を掛けて基本価格を出すという暗算をしているのです。その価格に長さ4メートルを掛けると1本の値段が出る、こういうことだと思います。

 2代目が言った20年もの機械? これは、原木運搬車。そうだろうな、あのキャタピラーの減り具合を見ると。 

 伐採会社の主力機械。ユンボではありません。アームの先に穴掘り用のアタッチメントを付ければユンボになると思います。これは、先端の爪で立木をしっかりつかみます。そして固定しておいて根元をチェーンソーで切り、倒さずに4メートル単位で切りそのまま原木運搬車に積み込むのです。

 チェーンソーは、私が持っているのとは機能・外観は同じでも、性能に雲泥の差がある山林用のプロ仕様のもの。しかし、使っていて切れなくなるのは同じ。刃が新しい時は、当てているだけでスーっと切れていくが、切れなくなると力任せに押しても切れなくなります。
 そういう時は、刃を研摩します。細かい刃の数だけ研いでいく根気が必要。つい面倒で新しいのを買ってしまい、もっと磨いて使わなければと反省します。こういう専業では、刃を消耗品にしては金がかかります。だから切れなくなると、この棒ヤスリで磨きます。
 チェーンソーの刃の磨きについては、誰でも思いは同じで、簡単・正確に早くできないかです。そのために自動の研磨機や個人の工夫によるアイディアものが、農業雑誌によく紹介されていますが、私のようにたまにやる山仕事には高価。やはり棒やすりでやるしかない。聞けばこの4人も棒やすりです。30度の角度で研ぐこの正確さが切れ味に影響します。
 また遊びに来てくれ、という声をかけてくれたのを機に仕事再開。運搬車のエンジンが始動しました。