あけび

 あけびの大木(比較的に言えば)が畑と山の境にありました。毎年、成長するに伴い、巻きつかれた木の幹につるがどんどんくい込み、とうとう枯れはじめてきました。
 そこで木を切り倒し、上に伸びていたあけびを手に届くようにすることを考えました。天然の棚にして、あけびの栽培に流用しようという魂胆です。こんな形になりました。



倒した木を、稲のはざがけの要領で下支えをしました。

 花がたくさん付きました。あけびは、雌雄異花で、先の方に雄花があり、その付け根の方に雌花があるそうです。
 そもそも、なぜあけびに関心を持ったのか。山に入れば、あけびはいくらでもあります。但し、あけびの木が沢山あることで、あけびの実はそうお目にかかれるわけではありません。下草刈りの時は何の気遣いもすることなく、切っていました。
 昨年、友人から、あけびを庭で沢山成らせて、あけび料理を堪能してと聞きました。最高に旨いのが、あけびに肉を詰め油で焼いたものだとのこと。それを聞いて以来、いつもその料理が頭に浮かび、あけびを手に入れようと言う思いが募っていたからです。ネットで見ると、まさにあけびの健康効用とおいしさ礼賛です。
 しかし、栽培はむずかしいらしい。野山で実をあまり見かけないのも、雌雄異花で授粉がむずかしいようです。友人は筆で花粉を付けて、鈴なり状態とのこと。今年はそのノウハウを教えてもらって、あけび料理と目論んでいました。
 しかし、それが実行できずに自然の成り行き任せとなってしまいました。案の定、あれほど満開の花だったのが実はほとんど付けていません。
 あけびの木は、山に降りる道沿いにあります。毎日目にしながら、来年、あけびの肉詰めを食べる思いがますます強くなってきました。