見えてこない日高市総合計画策定(2)

 「第5次日高市総合計画策定に関わる各種団体懇談会」に出席して以降、どんな案が出てくるのか見てきましたが、現在までまだ何も出てきません。
 ずっと継続的にウォッチしているのは、懇談会に対して、市民の意見を聞くやりかたとして不備・不足感を感じたからです。どんな手法によってどんな形で出てくるのか、確認していこうという思いがありました。
 また市民にとって生活基盤の憲法ともいうべき、最も重要な政策の内容がどう決まっていくのか、しっかり見ていこうという考えもありました。
 現在、市のHPに出ているのは、先の懇談会の会議結果(http://www.city.hidaka.lg.jp/0201/shisei/masterplan/index_24.html)と「新たな総合計画の策定に向けて」という懇談会で配布されたA4の資料1枚です。それ以外に、進行計画が文章で書かれていますが、現状はその予定より大幅に遅れています。
 計画だから遅れることがあるのは当然ですが、それにしても、総合計画関連のHPの更新は昨年の11月5日に行われて以降一向になく、遅れているのはなぜなのか、総合計画の策定がどうなっているのか、全く見えてきません。
 今後10年間の市の将来像を描き、事業と予算の骨格を決める最も重要な仕事がこれでいいのかと思わざるをえません。市の全知全能を傾けて推進する事業として、何かあまりに貧相な感じがしてなりません。
 HPに掲載されている「新たな総合計画の策定に向けて」を見ると、「4つの視点で戦略的な自治体経営を可能にする総合計画へ」という意欲的なキャッチフレーズが書かれています。その4つの視点とは、次の項目です。
・戦略課題の決定
・全政策・施策に数値指標を設定
・進捗状況の確認手法を確立
・市民との協働の視点を明示
 この4つに関して、現状と課題と手法が説明されています。これらを読む限り、日高市行政としてはこんな先進的考えと高度のテクニックで策定するんだぞ、という意気込みは感じとれます。
 しかし、策定手法に関しては意気込みが感じられるのですが、それを市民とともに行うという雰囲気ではありません。決めるのは自分たちで、市民とはその決めた枠組みの中で協働する、という姿勢が透けて見える気がしてなりません。
 基本構想、基本計画、実施計画の三重連機関車で回す従来の総合計画が時代遅れになっていることはもはや常識となっています。
 基本構想は読んでも頭に残らない作文、基本計画はあってなきが如し、つまり実施計画が具体的事業をもって初年度から即始まるので空文化してしまう、さらに実施計画はその時々の予算や実行可能性で変わっていく――こんな状況は全国の自治体共通の課題となっています。
 どこの自治体でも総合計画を改訂する場合、この四つのコンセプトを取り入れることが時代の流れとなっています。そしてこの流れを影で押しているのがコンサルタントで、従来の手法転換はかれらの絶好のビジネスチャンスとなっています。日高市の計画策定でも、日本で最も名が知られているコンサル会社がついています。
 問題は、行政とコンサルタントで、今はやりの“高度な”テクニックで総合計画策定を仕切ることではなく、市民参加をどれだけ組ん込んでいくか、ではないかと思います。
 再度書きますが、日高市民の将来の生活基盤を決め、予算と事業の流れを決定づける重要な仕事の進捗と内容を公表もしないで遅れるままにしておくのは、やはりバランスを欠いているのではないかと思わざるを得ません。