見えてこない日高市総合計画策定(1)

 日高市では現在、“第5次”総合計画を策定中です。私は、平成20年9月30日に開催された「第5次日高市総合計画策定に関わる各種団体懇談会」に出席し、策定の初動の過程に一市民として参加しました。その後の推移がどうなるか、ずっと観察してきました。今この時点での感想です。
 総合計画は、地方自治体の全ての事業の基本となる計画で、10年前後の期間を想定して作成されます。地方自治法で総合計画策定が次のように義務付けられています。
「市町村は、その事務を処理するに当たっては、議会の議決を経てその地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め、これに即して行うようにしなければならない。」(第2条第4項)。
 基本構想と基本計画と実施計画の3つから総合計画は構成されます。本体部が基本構想で、まちづくりの理念や将来像を各分野にわたる政策を総花的に触れ、基本計画はそれをうけての施策を部門別に具体的に示したもの。実施計画は3年にわたって、各年度の事業をさらに詳しく示したものです。
 日高市の現行の計画は『日高未来辞典』で、平成11年策定され、平成22年までの計画です。しかし、平成16年に、基本構想の「第5章土地利用構想」を変更し、同時に後半5年間の後期基本計画を策定して、現在の『新日高未来辞典』となりました。
  
 この「新日高未来辞典」に盛られた計画は、平成22年度末をもって計画期間が終了します。そこで、平成23年度からの日高市総合計画の策定を行うため、平成20年度から策定作業が開始されました。
 現在の『新日高未来辞典』になるまでの推移はこうなります。
日高市総合計画(基本構想、前期基本計画:昭和63年12月議決) 
・基本構想:平成元年〜10年
・前期基本計画:元年〜5年 後期基本計画:6年〜10年
・実施計画:3ヵ年のローリング
◎日高未来辞典――季節の風と出会うまち:日高市総合計画
・基本構想:平成11年〜22年
・前期基本計画:11年〜16年
・後期基本計画:17年〜22年
・実施計画:期間3年で毎年見直し
○新日高未来辞典――季節の風と出会うまち:日高市総合計画(基本構想〔―部改訂〕・後期基本計画)
・平成17年〜平成22年(2005〜2010)
 さて、この文章の冒頭で、私は「“第5次”総合計画を策定中です」と書きました。“”で括ってありますが、市の文書には括ってありません。私が“”を付けたのは、第5次の意味が分からなかったからです。
 昨年9月30日の懇談会に出席した時に配布された「次第」見て、まず最初に「おやっ」と思ったのは、この言葉でした。なぜ、第5次なのか、ということです。
 上記の推移を見ると、◎印を付けたのが、期間満了の全面改定です。○印が一部改訂です。こうみると、今回の改訂は期間満了によるものですから、“素直に考えれば”第3次となるはずです。○の改訂を入れたにしても、第4次です。第5次というのは、私が調べた限りでは、どこからも出てきません。
 何が根拠になっているのか、自分で調べてから聞こうと思っているのですが、未だにこの謎は解けていません。