NPO法人荒川流域ネットワーク

 30日午後、鶴ヶ島NPO法人荒川流域ネットワークの理事会。
 主な議題は、今年度の主要事業の一つである、あゆの溯上調査の中間報告です。この調査は、川越市郊外にある入間川の堰で放流したアユが、どの河川にどのくらい遡上するかを調べ河川環境を見直す、という目的をもっています。
 4月29日に9000匹のアユが放流され、その後、捕獲による調査が行われてきました。私も遡上環境整えるための堰の止水板をとりはずす作業に参加しました。
 中間報告が行われましたが、脂ビレを切った標識アユの確認は非常に少ないものでした。
 放流箇所のすぐ上流一帯は、都畿川、越辺川、高麗川、小畔川、入間川の5河川が合流しているところです。その河川に16カ所の主として農業用水取水用の堰があります。この堰に魚道がないかあっても機能を果たしていない状況では、結果は当然かもしれません。
 米増産時代の取水堰には魚への配慮はなく、米余り時代になってからは減反と都市周辺の水田環境の悪化で、川魚は省みられることが少なくなりましたた。アユの遡上を通して見る川の再生は、人間生活の見えない部分をあぶり出す側面があります。
 8月6日には、「アユが天然遡上する恵み豊かな荒川水系の再生に向けて」というテーマで上田知事との面談が実現しました。「川の国 埼玉」として水辺再生事業100プランを公約に掲げている知事は、大きな関心を示しました。荒川流域ネットワークは、意見書と4つの提案を提出し、今後の県のバックアップを要請しました。
 荒川流域ネットワークの理事としては、NPOとしての個別事業への参加と同時に運営への参画も重要です。先日、埼玉県が開催する「NPO運営力講座」に出席して、改めてミッション(使命・理念)と事業運営の関係について頭を整理出来ました。以前から、荒川流域ネットワークについても、この面からの課題が自分の中でふくらんできています。