奥武蔵鳥瞰図と全20回の連載記録 

24日午前、前日の講演のお礼と掲示物の返却のために浅野氏宅を訪問しました。掲示物というのは「やませみ」のバックナンバーと「奥武蔵鳥瞰図」のパネルです。
「奥武蔵鳥瞰図」は、パノラマ風景画家、友利宇景氏による精密な地形イラストで、飯能市天覧山を中心に巾着田、横手台、名栗などの周辺とその先の山々までが見通せるような構図で描かれています。
 これをみると、まさに“鳥の目”になって眺めている感じで、飯能から日高にかけて人間が自然に抱かれて生活してことが鳥瞰的にわかります。
http://www.tenranzan.com/
 天覧山多峯主山の自然を守る会は、このイラストを1000円で販売し、主要な活動場所である天覧山東側の谷津田を買い取るトラスト運動の資金にしています。
 昨日の講演の閉会の時、このことに触れ購入を呼び掛けた所、7枚売れました。これはとても嬉しいことでした。講演料無しで来ていただいていることも話しましたので、参加者の方が、せめて活動資金として使って頂こうと思われたのかもしれません。
 友利宇景氏は東京芸術大学出身のイラストレーター・デザイナーで、自身のHPに、鳥瞰図についての考え方が次のように出ています。
 「私の鳥瞰図(パノラマ風景画)は、描かれるどの地域でも、常に地球という惑星の表面の一部であることを感じさせる為に、絵全体に球面感を持たせて描いています。地平線や水平線も巨大な円弧の一部として作図しており、近景から遠景へ至る方向にも球面を意識させる様に描いています。それから、環境の美学として、空気の美しさを理想的な位置まで高める為、18世紀ヨーロッパの画家達が風景画の為に使用した空気遠近法を取り入れています。これは、空気の層の薄さ厚さによって近景と遠景とを表現してゆく方法で、空気の美しさ、清緻さを表現できます。描かれる場所の地図としての意味と、地域環境の一部であることの意味とを常に鳥瞰図の中に取り入れ表現しています」(http://www.illustrators-jp.net/JP_NET/gallery/tomori/tomori_f_top2.html


 浅野氏から、平成17年に書かれた天覧山多峯主山の自然を守る会の活動記録のコピーをいただきました。文化新聞に20回にわたって掲載されたもので、例の「天覧山付近のの自然を守る会」の記録である『緑のまちと市民たち』と対を成す、と言えます。
 浅野氏の記事の何回目かに、講演で映像を見せてくれた市川和男氏が、天覧山近くでオオタカの巣を発見した状況が書かれています。請願も条例案も否決、退けられ運動が窮地に陥った時のことです。これを契機に、国レベルの運動となり、そして事態は急展開していくことになるわけです。
 後者の本を読み、そして浅野氏の記事を読むと、飯能の70年代後半から始まった環境保全運動の全貌が分かります。この運動の記憶は飯能市民の脳裏にあり、飯能のまちづくりに大きな影響を及ぼしていると思います。現在の環境重視とエコツーリズムの成功も一朝一夕でできたものではないことが分かります。
 私たちは、このことから何を学べるかです。


 さて、夜は、東京市谷で開かれる「都市計画法改正シンポジウム」です。これは必ず行こうと決めていた、私にとって大事な会です。
 それまで午後は農作業、草刈に追われたりで何か作業がはかどりません。