研修の夜、いもや

この時期になると、各種の議員向けセミナーが花盛り。札幌や北九州、鹿児島などの遠隔地開催企画もずいぶんある。政務活動費を使っての参加も多いようです。
この自治体問題研究所の、予算・決算期に毎年行われているセミナーが質量共にコストパフォーマンスが一番いいように思います。東京で行われるから参加の予定も立てやすい。
最近の制度の改変、新設等はめまぐるしく、よほど丹念にウオッチしていなければ分かりません。市の施策ならともかく国の法律や制度となると、しかも複数分野に亘ると、何がどうなって、どのように進んでいるか、一議員の努力の及ぶところではないという感じです。
しかし、国―県―市町村に関わる見取り図が描けないと、これからの地方議員は存在価値を問われるのではないかと思う。自治会区や近所の問題も重要だが、その先の彼方の大きな問題にリンクさせる能力です。そうはいっても、自分もそこまで行ってないし、研修の雰囲気からすると地方議員全体が大変な時期にきたな、という感がします。地方分権一括法による移譲も終了したし、市町村は自主独立の真の意味での競争時代になりました。これから市町村の力の差が出て来るでしょう。議会が旧態依然だったら地域の力の下方硬直に貢献することになります。
そこで、見取り図を描くために、大まかな動向や全体イメージを持つために、こういうセミナーが役立ちます。コンパクトに講師がまとめた情報でも、口頭の話しで理解できるものでもありません。質問を聞いていると、皆さん苦労しているな、ということが分かります。難しすぎて質問もほとんど出ないケースも結構ある。
そういう私も、細部の理解は全く自信がないのですが、何となく全体イメージが掴めた、という程度。それでも、自分の直感の補強には役立ちます。いくら勉強しても、専門的なところで行政に及ばないことは明らか。
頼りにするのは直感なのですが、見当違いで質問をしているのではないかという心配もあります。私がこの種のセミナーに参加するのは、もちろん地方自治や市に関係する国の制度・法律の理解のためですが、政治的直感、大層なものではありませんが、要するに、自分を賭けてこの辺がキモだろうという勘です、それを磨くためでもあります。
この日は、ナイター講座と称して、午後7時までありました。
かつて、徘徊した神保町。懐かしの食べ物屋さんがいくつもあります。そのうちの一つ、いもや。神保町には3軒のいもやがあるが猿楽町に近いところがいい。久し振りの訪問。主人は、おっかない顔をして、いらっしゃいませ以外は一言もしゃべりませんが、てんぷら定食650円はあい変わらずおいしい。この値段でこの旨さ。次々と訪れる客がいもやの価値を証明しています。
ここのてんぷらを食べて、大通り向かいのドトールでコーヒーを飲めば、仕事の失敗も含めてたいていのことはリセットできた。楽天的でのん気なせいかもしれないが、神保町にくると、しっかりと記憶された、このいもやのてんぷらの満足感に浸りに、自然と足が向かう。