イギリスの地方議会

今朝の新聞(朝日新聞)に、18歳のイギリスの地方議会議員の活動レポートが載っていました。英国では選挙権と被選挙権が与えられる年齢は18歳、彼は、保守党から区議(日本の市町村)に立候補して初当選した。
「区議の基本給は年3千ポンド(約54万円)にすぎず兼業が前提で、定例会も午後7時からで議員48人の平均年齢は50歳超。スティーブン・バーンズ議会事務総長(63)は「新しい視点を持つ若い議員は貴重」と話す」(記事より)。
日本も、基本的には、こういう方向にいくべきだと思います。
まずは、報酬を大幅に引き下げること。イギリスも兼業だが、報酬は低いので報酬目当てで議員になろうとはしていないと思います。まちのことや地方自治やあるいは地方で研鑽を積んで中央に出て国のことに関わる、いずれにしても公益のために働こうという意欲によるものだろうと予想できます。
日本はどうか。同じ兼業でも普通の労働者の年収に匹敵する(非正規労働者に較べれば格段に上だ)報酬を貰う。もちろん市町村によって異なるが、新聞記事の人口9万人の市であれば、そう言える。しかも年5回の定例会で約90日の開会日(会議日の実質の拘束日はさらに少ない50日前後)で、月々の報酬以外にボーナスも出る。
こういう状況だと、地位や権力以外に、何よりも金銭的価値が議員という身分に関わる最大の魅力になる。これ以外に、政務活動費などというお金も付いてくる。議員という職業の兼業自体が利権になってくる傾向があります。そうすると、何期もやりたくなってくる、当選回数の多い議員が幅を効かせ、前例、慣例、先例の機能不全のアカが溜まってくる、こういう構造にどうしてもなってくると思います。
報酬を引き下げ、金銭的魅力を引き下げ、真に公のために働こうという人の参入を促すべきではないか、そのかわり、正当な活動費は支給すべきかもしれない。また、議員活動のためには完全な情報公開が行われ、政策へのアプローチが容易な環境であることが前提です。
議員任期を限定して新陳代謝を重視し、多彩な人材を供給した方がいいと、私は考えます。住民の選択によってそうなればいいのだが、現実は選挙の実態をみれば難しい。