青学大の優勝の秘密がわかった!

昨日のテレビ朝日ニュースステーション。いつものごとく私はテレビを付けっぱなしなので、聞こうとしなくても耳に声は入ります。スポーツの時間になって「青山学院大学の活躍」という声が聞こえました。「おっ」と思って振り返って見ると、監督へのインタビューと練習風景が写っています。原監督の発言をメモしました。


――どんな選手が好みか、と問われて、
○胸が厚い、肺活量が多そうだから。
○マラソンの経験は重視しない、バネがいい、飛び跳ねる走り方をする。
○いい男、明るいやつ。
○質問した時、ハイ、ハイ言うだけではだめ。
○自分の意見を言う。言葉のキャッチボールができる子。


――練習方法を問われて、
○アップダウンをつけた練習コースをグラウンドの周囲に作った。
○毎月、チーム目標と個別目標を立てる、つまり目標管理(選手のノートには目標と達成手法及び反省などが)。
○目標管理ミーティングを4年生がリーダーで行う、これが一番重要(ミソコアと表した)。
○厳しいトレーニングをやっていく中で、やらされるのではなく、自分自身の思いで走らなければ無理。


――監督就任の思いとビジネスの経験から
○マラソン選手としての挫折の経験。
○営業マンとしてビジネスで成功。
○成功にもかかわらず、選手としての不完全燃焼を監督挑戦に転化。
○マラソンもビジネスも同じだ。


――監督選考の面接では数人いたが何を主張したか。
○マラソン、陸上部だけではだめ、大学自体も良い大学をめざし、相乗効果をめざすとアピール。
○計画的な育成・目標達成。
○10年で優勝を約束。


以上が、メモしたキーワードとフレーズを整理した内容です。
なるほど、納得です。突然、強くなったのではなかったのです。徐々に段階目標をクリアしつつ、なるべくしてなった、と言うべきか、優勝までの10年計画の目標達成でした。
先入観なき人材選定と、個々の能力開発を目標管理によって自主的、組織的両面から行うという科学的手法による優勝でした。そこには監督自身の経営理論と経験による考え方が反映していると思われます。それは、そのまま選手の社会能力と職業能力の訓練にもなっていました。正に「マラソンもビジネスも同じだ」です。
私の直感も当たりました。選手インタビューでの豊富な言葉遣いと表現力に注目したことです。「自分の意見を言える」ことを監督が重視したことは重要です。当たり前のようであって、これがいかに難しいか。しかも、スポーツに置いて前例と慣例の中に埋没しない選手を育成というのは、新鮮な感覚を覚えます。ここに、自分自身の思いで走るというモチベーションの確立が見えます。
表現能力の発露の背景には、これだけの計画の組織的実践があったわけです。また。経験を重視しない、という点も全く同感です。経験重視、前例重視という世間一般の価値観にとらわれない柔軟な人材への見方です。
スポーツの強化には、大学のブランド確立とCI戦略によって社会的、市場的価値を高める意図がありました。そういう中での監督選考。複数の候補の中から現監督を選考した眼力について、大学経営陣の判断は賞賛されるべきです。
ふと、思いました。10年という計画期間は、市政での総合計画と同じではないかということです。その中で各種計画の達成によって実現する生活環境と市民生活の向上。相当するのはインフラの計画ではないか。道路計画、区画整理による市街化計画、それにリンクする下水道計画など。原監督の言葉を借りると、目標管理による計画推進です。さて、日高市のそれらの計画をみるとどうなのか。