「里山を守ろう」講演会


 今日は「日高・みどりの会」主催の環境イベントと講演会。
 このイベントも、もう6回目だ。第1回以前は、環境省の6月環境月間に合わせて日高市もイベントを開催、環境課が企画、開催していました。それが中止になって、何も行わないというのは残念ということで、ボランティアグループが集まって環境イベントを実行してきました。
 僅かの会費収入しかないからお金を使わない企画に頭を絞り、各グループの展示と目玉企画の講演会に無料の講師を見つけなければならない。そいう苦労もありながら6回も続いていることは賞賛に値します。私も「自然農業を楽しむ会」として当初からこのイベントにメンバーとして参加しています。
 しかし、こういうボランティアのイベントを継続開催することは結構大変です。モチベーションの維持と担う人材の流動、宣伝の不足などの問題など。本当は市と共催で開催することが望ましいと思う。環境基本計画に位置づけて、市民参加でより広範囲に開催し、市民意識調査で第1位を占める「みどりの環境が住みやすさの点で好ましい」ことの意義の啓発に努めるべきです。
 講演会は里山について。里山は環境のテーマとしては非常にいいテーマなのですが、実態を見るといろいろな疑問があります。
 2010年の名古屋の国連COP10では、里山が統一テーマの一つとして取り上げられ、残すべき農業遺産として実践プログラムに組み入れられました。また生物多様性という観点からも、政府の各省庁が縦割りの元で予算を使って表面的には熱心に取り組まれています。その結果、たくさんの報告とパンフレットが溢れています。「里山」と言う名目でどれだけの公費が投入されていることか。
 学問の世界でも、東京大学には里山と環境を専門とする教授が何人もいるし、全国の大学となると相当の数ではないか。「里山生物多様性、循環」ということは、良いことなので言い過ぎることはない。その結果、情報は有り余るほど溢れているのだが、実態に何か変化が起こっているかというとそういう実感はない。
 という漠然とした疑問。国連の政策は政府によって熱心に受け止められている、お金を使っての研究は盛んになっている。実態が変わらないのは、地方自治体レベルの施策の推進にまで至っていないからです。里山がいい、ということだけの議論から抜け出し、経済性や土地の私権という支援や法的整備の具体的なテーマに入っていくべきではないかと思います。
 そういう問題意識を漠然と持っていたので、講演が終わってからの質問で、政府は予算を使って縦割りで里山を広報し取り上げているが実態との落差は何ですか、と聞いてみました。
 漠然とした疑問なのでニュアンスをキチンと伝えなければいけないのですが、長い説明は出来ないしこちらの説明も表現が不足して、意図は伝わらなかったようです。
 

 自然農業を楽しむ会としての展示。毎回代わり映えのしない同じようなことなのですが、今年は、講演会のテーマに連動させてみました。先日、国連大学で展示を見たことを念頭に置いて即席のディスプレイ。
 隣の展示は、何年も日高市で四季の鳥の姿を写した写真集。すばらしい作品です。こういう自然観察を写真に納めている人は大勢いると思う。そういう成果を一堂で見られる機会がほしいものです。