高麗神社講演

 第9回渡来人の里講演会。「古代高麗郡と寺院の造営」講師:国士舘大学文学部 須田勉氏

 須田氏の講演は以前にも聞いたことがあり、考古学の実証研究からの説明は大変面白く関心をそそられます。
今回の講演は、最新の実証研究を加味した話しでした。
 1 初めに
 2 古代高麗郡と寺院
  (1) 高句麗の滅亡と高麗王家・肖奈王家
  (2) 最古の寺院、飛鳥寺
  (3) 女影廃寺(若宮廃寺)
    a. 瓦の分析
    b. 武蔵国分寺の文字瓦
    c. 女影廃寺の性格
  (4) 高岡廃寺
    a. 遺跡の立地と遺跡の分析
    b. 瓦の分析
    c. 高岡廃寺の性格
  (5) 大寺廃寺
    a. 遺跡の立地と遺跡の分析
    b. 瓦の分析
    c. 大寺廃寺の性格
 この目次の内容と筋立ては、『日高市史』の「第一編:原始・古代、第四節:高麗建郡、一:高麗建郡の歴史的背景」の内容と同じであり、ここを読んで理解していれば一層面白いと思いました。
 『日高市史通史』は平成12年発行、高萩駅区画整理地では、工事開始以来、遺跡発掘工事がかなり行われました。そういう成果が具体的にどう史実の判定にどう結びついたか、その辺も私の関心でした。
 遺跡と出土した瓦の分析から推理した、当時の政治と人々の生活と移動は、いつも見慣れた風景を思い出しながら聞けば、時間を超越した地域の隣人という思いに至ります。
 話の内容の理解のポイントは、地図と人名にあります。瓦の文様や形もさることながら、やはり面白く理解するためには、地図と地域をつくる為政者の活躍です。
 学者としては、出土品の分析から離れた記述は出来ないわけですが、「建郡1300年祭」という日高市民と官あげての大企画を計画するのであれば、歴史の話も何か工夫すれば面白いのではないかと思いました。