木くず処理実証化テスト

 太平洋セメント(株)埼玉工場で、岩手県から搬入される木くず処理の実証化試験が行われました。同時に、太平洋セメント熊谷、横瀬の各工場でも試験が行われました。
 埼玉県の主催で環境部資源循環推進課が段取りや説明を行い、日高市も市長、副市長はじめ市民生活部を中心とする大勢の職員が参加していました。埼玉県と日高市及び太平洋セメント以外の参加者は「立会人」と「報道」です。
 事務所で処理の概要と流れが説明され、全員ヘルメットを着用して、順番に工場構内での空間放射線量率と放射性物質の濃度測定に立ち会いました。下の図が事務所での概要説明で使われた図。工場での測定は、④〜⑦で、⑦の製品測定の後日発表以外は、現場での即日発表です。

 空間放射線量率の結果は、予想された通りすべて埼玉県の受入れ基準【0.23マイクロシーベルト以下】でした。岩手県での測定①〜③で基準値以下だから、普通に考えれば埼玉県でも出ないのは当然の結果だと思います。最終の試験結果は日高市に報告され、市から議会全員協議会への報告という形をとるようです。

 測定現場に立ち会うことで、「測定」とはどういうことなのかその実際が分かりました。また、実際の木くずの現物を見ると、きれいな木くずでした。数日前のTVニュースで岩手県での処理を放映していましたが、ベルトコンベアで流れる混合物から木くずだけを人手で選別していました。あの工程を経ているから、このようなきれいな状態の木くずになるわけです。
 この木くずを見て思いました。なぜこれが現地で処理できないのかと。処理の施設が出来ていないからだというが、木くずを燃料とする発電所をつくればいいではないか、と。それによって、木くずの処理が進み、将来的には森林バイオ資源の開発を通して雇用も生み出せる。原発にかけている金を振り向ければ一石二鳥が見えてくる。
 今日来た5トンコンテナは熊谷までは貨車で運ばれてきたが、移動のコストを考えたら誰でも思う、現地でと。新聞の投書にもそういう意見が何度か載りました。
 日高市農水省から調査費1000万円をもらって可能性を探ったバイオリサイクル事業。結局、日高市は有力なバイオ(チップや木くずやその他の有機物残差等)資源を調達できないということで、事業化は行わず調査だけとなりましたが、この農水省の膨大な全国展開事業にかける予算を、災害地の木くず処理プロジェクトに投入すればいい、と思う。
 どれもこれも素人考えで、実現は不可能であるという答えは用意されているのかもしれない。しかし理がある方に技術も資源を向ける方向を合わせればいいのだが、寄ってたかって、あーだこーだ言っていると、結局、どこからも文句が出ない、文句は国民の遠吠えだけとなる結果になってしまいます。


パトカーに先導されて熊谷工場から運ばれた木くず5トンが到着、計量機に入って積載量を測定。


コンテナ測定。


コンテナ左側側面のマイクロシーベルト


遮へい放射線率測定専用箱(鉛製)


廃棄物ストックヤード。ここで測定され反対側の投入口へ


意外にきれいな木くずだった。