震災の日、そして「一般質問1―防災について」の推敲

 今日で、東日本大震災から1年経ちました。もう1年か。そんなに経ったのだろうかと思ってしまいます。TVで時々流されている津波の映像を見ているから、記憶はいまだに新鮮です。
 死者 1万5854人
 行方不明者 3155人
 親を失った子供たち 1000人以上
 昨晩から、回顧の番組が続いています。陸前高田の被災者と消防団のメンバーの「その日」を語るドキュメント。これを見たのは2回目です。家族を失いながらも再び地域の防災に結集するその思いに感心しますが、一方で、家族の安心を最優先させようと揺れる気持ちも。それも自然な感情の発露だと思う。
 原発避難区域の農家の苦しみ。汚染地域でコメを作付けしたが、JAの基本方針があり、作付け全部を廃棄処分にするという。トラクターで稲を押しつぶす状景がでます。
 TVを見ながら一般質問の原稿の最終調整を行い、めずらしく終日、家から一歩も出なかった。
 午後2時46分
 妻と二人でしばしの黙とう。


TVを見ながら、日高市の防災を考えつつ、質問の原稿を推敲。下の原稿は質問する内容ですが、実際はもう少し簡略にしながら話します。各質問の間に再質問が入ります。再質問の所に工夫した内容を入れたいところだが、材料をどう使うか、なかなか難しい。
 一般質問に関しては、最初は試行錯誤してきたが、第3回目(12月議会)以降は、各課と事前に2、3回打ち合わせを行っています。事前打ち合わせを最初は疑問に思っていましたが、何回かを経て、これはやはり必要なものだというのが結論です。通告なしの質問をしても、そこから何か実のある成果が出てくることはないだろうというのが理由です。
 最初の打合せをする時までには当方の質問の骨子は決まっており、質問の文章と材料の配置はほぼ決まっています。各課にこれを口頭か項目文章で示せば、答弁は書けるわけです。答弁は記録に残るものであることを、行政は非常に重視しており、準備なしの突然の質問にたいしては如何ともし難いということで、これは何としても避けたいというのが本音のようです。部長も、部課が調査して調製してくれた答弁書がなければ思考停止してしまうのかもしれない。
 打合せで私が基本としていることは、最初に出した質問の趣旨と順番を基本的にを変えない、但し、最後まで材料の検討はするので、趣旨にかかる材料と言うか補強の材料は変わり得る、ということです。主語、述語に関わる骨格を変えなければ、それの係る修飾語句が変わっても答弁を変える必要はありません。答弁の思考の連続性を変えなくて済み、そこまでの仕事を無駄にしないことになります。
 ほとんどの質問対象は行政が作った土俵だから、各部各課が材料を100パーセント掌握しているのは当然です。どんなことでも、事実として存在する、あるいは存在したことであれば即座に答えることで、それは分かります。したがって、我々がどんな質問を出そうと、整理された過去・現在の膨大な情報の中から取捨選択、方向性を勘案しながら部長が読む原稿をつくることは、難しいことではないと想像します。
 その材料については大体、説明や情報公開が不十分。特に日高市は過去の経緯に関して“水に流してしまう”傾向が強く、不均衡な情報環境の中での“勝負”だから結構しんどい。もし、公開すべきものがされてなければ不利な状況での仕事になります。黙っていれば行政はその環境を意識的に無意識的に温存しようとします。
 そういう中で問題の所在を探し出し、評価して質問に作り上げる。その情報の探索と取捨選択さらに評価が議員の仕事になります。要は、そこの所に干渉しない事前の打合せである、ということです。
 そこで、防災関係の一般質問の内容です。
 

1.総務部関係について
1.防災関係について
(1)日高市地域防災計画の意義と更新について(以下、「計画」)
 いま、日本各地で防災の見直しが行われている。日高市地域防災計画は、災害対策基本法で決められた計画である。埼玉県が元になるものを作り、市町村がそこから自分の所に合う箇所を抜いてくっ付けたもの。422ページもある。市町村の防災のベースとなる。震災の後、大改訂され、いま市町村も合わせて改訂中。この防災計画の意義と役割を改めて問いたい。

《再質問》
 a.計画は定義として「日高市内のことのみ」が原則対象か。また計画は、市民が必要とする情報というより、日高市各課ほか行政各所の役割分担と連携のためのもの、という認識でよいか。言わば、市民の目に触れないところで災害対策の歯車が機能と意思の伝達のために確実に動くための仕掛け。
 b.自主防災組織との連携は? 区長は計画の内容に関しては知らされていないようだが、区長や自主防災への、計画の概要と必要な情報の伝達は?
 c.422ページの膨大な項目から一つ伺いたい。給水に関して。水道課担当の給水車と濾過機があるというが、どこに何台あるのか。自衛隊給水は確保確実か。
 d.計画をつくった最高機関である日高市防災会議は震災後開催されたか(開催されていないことは確認済み)。
 e.未開催はなぜか。
 f.会長は市長。約半数の集合無理なメンバーを含む30人。一朝有事の時はどうするのか。
 g.災害対策本部の立上が現実的対応として想定されているが、防災会議との権限調整が、規定する条例を読んでもあいまいだが問題はないか。

(2)帰宅困難者について。
 「日高市地域防災計画」では、夏の12時に東京湾北部地震なら8632人、同じく立川断層地震なら8520人の日高市民が、市外で帰宅困難になることを予想している。都内は受け皿不足(10日付け朝日新聞)。「計画」は日高市内のことが対象という定義だが、対策は。帰宅困難になる日高市民は家族にとっても、日高市の生産人口としてもかけがえのない人である。対策を講じるべき。

(3)防災と保護の連携について。
 災害時の高齢者や障がい者の保護について支援制度があることについては承知しているが、その運用があいまい、かつ特定の人頼みになっていないか。(いくつかの組織が連携することになっているが、結局は民生委員頼み。地域全体の協力を言うのであれば、能登半島地震や山古志での事例が参考。

(4)市民本位の防災計画の推進について。
 たとえばHPの「災害時要援護者支援制度」は福祉の項目に入っている。「消防・防災・防犯・安全」にはあらゆる項目が羅列されている。子ども関係、学校関係等も含め、防災関係情報がいろいろに分散してしまっている。役所の縦割り別の情報ではなく、家族が必要な行動と情報からの防災情報の伝達をすべきと思うが如何か。