車の環境規制

 一方、こちらは自動車。
 アメリカの環境規制は再び厳しくなってきています。世界の自動車メーカーは、ふうふう言いながらもこれを追いかけ、懸命の技術開発を行ってトヨタは大成功を収め、他の日欧のメーカーも追随している。
 ダメなのはアメリカのビッグスリーだった。1990年代から開始された大気汚染を改善する法律にも反応せず、それ以前も政治に関与して環境規制を後退させ、結局、市場から退場となり経営危機を招いた。最近ようやくその愚を繰り返してはならないことに気づいて、環境規制に適合する車の開発を進めています。
 私が詳しく勉強した1970年代のマスキー法が今でも規制の考え方として生きており、規制の最先端だったカリフォルニア州の法規制の現在の動向も車メーカーの開発に影響を与えているのです。
 自動車メーカーの市場開発の歴史には、法規制と技術の選択が人々の考え方を変えていったことがよく表われています。原子力も全く同じ、撤退の選択さえすれば、世界は動く。日本はその先導役になるべきだと確信します。
 ここ2、3日の新聞に、デトロイトの自動車ショーの記事が載っています。見出しは「車大手、環境技術を網羅」「厳しさ増す規制が背景」(朝日新聞)。究極のしかもそう遠くない将来の目標は、無燃料の車です。 エネルギー選択も化石から自然へとなった時、社会の姿はどうなるのか――地球にとっての持続可能な条件が整っていくことを想像します。