地域のシンクタンク、知的財産

 7日付の文化新聞に、飯能市駿河台大学の提携の記事が載っていました。
 昨年11月に、駿河台大学飯能市との連携に関する基本協定の調印式が行われ、「従来より相互の密接な連携により協力体制を構築してきた。今後も、より一層の相互連携を通じた、協働によるまちづくりを推進するに当たり『駿河台大学飯能市との連携に関する基本協定』を締結した」とのこと。
 連携の記事は、以上の事実と次に示す8つの項目のみですが、少し調べてみました。
 これはうらやましいことです。地域にある程度の規模の大学があると、その自治体は、一つのシンクタンクを所有するような効果があり、相当広範囲な知的財産をバックに持つことになります。専門家の助言や調査に、最も身近なところでその活用が可能となるので、行政のみでなく、議会や市民も計り知れない恩恵を被ることになります。
 人材面では、現実に連携は進んでいます。審議会や委員会への大学教員の参加は、飯能市で29人、入間市で5人。日高市は残念ながらいません。

 因みに、飯能市の連携内容は、次のように非常に広範になっています。
 1.市行政への支援
 2.地域文化・教育・スポーツ活動の発展と振興
 3.環境の保全・創出
 4.大学の人材育成
 5.国際交流の発展
 6.地域経済の振興
 7.まちづくりの支援
 8.その他、大学と市が必要と認める事項

 この他にも、駿河台大学飯能信用金庫との「産学連携に関する協定」や公開講座を行っています。
 産学連携は、産学連携事業実施員会を定期的に開催し、地域活性化シンポジウムや「輝け!飯能プランニングコンテスト」及び消費動向調査等を行い、また学生の地元企業への就職のための合同説明会も行っている。飯能市の森林文化都市構築への支援では、全国規模のイベントも行い成功を収めました。
 公開講座の人気は高い。飯能市だけでなく所沢、入間市からの出席者も多く、私の知っている何人かの日高市民も参加しています。アンテナの高い日高市民は、駿河台大学城西大学公開講座を使い分けているようです。
 日高市民の中にも多くの大学関係者がおり、地域の知的財産の厚みはあるはずですが、恩恵はあまり受けていないのではないか。発掘されていないのか、地域に出てこないのか、関係疎遠は損失です。