聖天院


 聖天院本堂。
 屋根の瓦の1枚が、私が寄進したもの。それがどれなのかは分からないが、どれかに寄進の名前が書かれている?――これは当てにならない、私の想像です。
 平成の初めころ、ある日、妻と散歩に来たところ、確か境内に張り紙がしてありました。新本堂建立につき、瓦の寄進をしていただきたいと。それを見て寄進をすることにし、庫裏の玄関で申し込みを書いた記憶があります。その証文はまだあると妻はいうが、すぐには出てこないらしい。
 青空に映える瓦屋根の1枚に私が関わったことを思うと、気分はいい。神仏に入れ込む性格ではないが、神社、仏閣の神域、仏の場所は好きだし、八百万の神様も好きです。
 忙しいからと一旦は断ったが、妻と娘に誘われて来た聖天院と高麗神社。高麗神社との対照的な景観の味わいも楽しい。高麗神社の日陰の薄暗さもいいが、この聖天院の明るさは特別に気分がいい。季節季節で、日の光の有難さ・素晴らしさを満喫し、風の気持ちよさを味わえるところです。


 重さ10キロの荷物(まご)を背負う娘。山行きで鍛えた足腰もさることながら、子どもの重みは「苦にならない」。私は往路を背負ったが、へばった。

 日和田山からの眺望もいいが、それよりも低所であるこの境内からの眺めは、生活の音が聞こえる里山の重なりを遠望でき、きっと都会から来た人の心をなごませると思います。

 家族の幸せと安泰を祈る。

 石ころと花に興味を示す1歳3カ月。