びわ湖研修

これらの写真もデジカメに撮りっ放しにしてあって残っていたものです。
 10月17日から21日まで、滋賀県大津市で開かれた研修に参加しました。研修名を「平成23年度市町村議会議員研修(地方行政コース)」といいます。開催機関は、(財)全国市町村財団 全国市町村文化研究所です。通称、国際文化アカデミー。自治体職員の研修が主体で、地方議員の研修も毎年の定例コースを中心に組まれています。

 











参加者は、北海道から九州の島の町まで全国から54名の市町村議員。大部分の人が初参加でしたが、何回も参加している常連に近い人もいるらしい。財政の講義が始まる前の一時。近隣では、所沢から、みんなの党の若い議員が来ていました。
 大津市郊外。後ろはすぐ比叡山の山地で、前は琵琶湖に歩いて5分です。1週間近い長期研修は、10年くらい前に、加古川市で自然農業の研修を受けた時依頼です。

 かつて軍の飛行場だったらしい敷地は広く、建物も贅沢にゆったりと作られている。いくつかのコースが同時に開催されており、期間中、若い男女が多かったのは、福祉関係のワークショップが行われていたようです。
 宿泊は専用棟があり、全室個室のホテル並みです。
 コンピュータ、コピー機、LAN、図書室、何紙もの新聞、スポーツ施設、バーラウンジ、レストラン、ランドリー等、生活に必要な全ての施設が整い、研修に全時間を注げるように配慮されています。

 国際アカデミーの研修に応募したのは2回目。財政中心のコースは特に人気が高く、前回は選ばれませんでした。やはり皆、財政は苦手で自分で勉強するのはしんどいのです。私もそうだが、まとまった研修で一気に知識を獲得したいわけです。1週間の缶詰授業が終わった時には一応分かるようになる。……というわけにはいかない。そこが出発点だと理解する。
 この5日間の費用が、何と食費も含めて一切合財で1万5,900円。この安さ。どこかから補助が出ているのは間違いない。どこだろう。
 さて研修の内容です。1日目は開講式と入寮・開講のオリエンテーションそして交流会。2日目から講義。

地域主権改革の現状と今後の方向性:総務省自治行政局行政課長 山崎重孝氏
・国際比較によるこれからの地方行政の在り方:帝京大学教授 内貴 滋氏
・前例なき地域課題に立ち向かうために:岩手県遠野市長 本田俊秋氏
・議会改革の現状と方向性:法政大学教授 廣瀬克哉氏
・持続可能な自治体経営の在り方:山梨学院大学教授・前多治見市長 西寺雅也氏
自治体財政の健全化/講義・演習:関西学院大学教授 小西砂千夫氏
自治体事例紹介:愛知県清洲市企画政策課長 飯田浩視氏

 豪華講師陣です。中身の濃い講義でした。
 総務省山崎課長の話。今までの経過を簡潔にまとめ現状を踏まえて今後の方向性を語りました。
 無駄のない言葉と部品がキッチリと納まってゆるぎない感じの話しぶり。「死ぬほど勉強する」という言葉が印象的でした。国を創り管理する気概と、周囲と能力を競い政治家と対等に渡り合う中央官僚としての凄さを彷彿とさせました。
 遠野市長の地震への先見の明と超法規の行政出動も面白かった。
 私もメンバーだった日高を変えたい会で講演に来てくださった、廣瀬教授。明快な話とポイント押さえた解説は、常に混乱する方向へ行く頭の整理に非常に役立ちます。
 地方自治体経営の見本的存在の多治見市。その礎を築いた前市長西寺氏の話しは、横浜での講演会で馴染みがあった。しかし何度聞いても、そのち密な組み立てとベストを目指すストイックさには感動する。よく職員を適応させたものだ。市長に情熱と勇気とリーダーシップがあればこうなるのか。
 小西教授の講義と演習は、関西弁で当意即妙、勘所がよくわかった。著書は、数多ある地方財政の本の中で出色。かゆい所に手が届き、それでいて他のテキストとは違う独自の視点があるように思う。学問的・専門的に突っ込んだところは分からないが、そう感じます。

自治体財政のツボ―自治体経営と財政診断のノウハウ

自治体財政のツボ―自治体経営と財政診断のノウハウ

 清洲市課長の話は、3町対等合併の新市という余りない自治体例。それだけに、無駄を削るというポイントが際立ち、分かりやすかった。こういう言葉の正確性を伴っての説明上手と総合的に目配りができる中堅管理職がいる自治体は、マネジメントが強くなるんだろうな。

 琵琶湖まで、いつものように軽トラで行きました。行きは中央、帰りは東名。景色を眺めながらの行程は気晴らしと頭の活性化にいい。夜中のSAでの物流、人流の途切れのなさには単純に驚きます。