生活支援事業所 すみれ













 生活支援事業所「すみれ」の開所式が12月1日に開かれ、見学に行きました。「すみれ」は、NPO法人あおーら が運営する施設で、精神に障害を持つ人が通いながらこころと生活を整えるための場所です。
 NPO法人あおーら は、、飯能市日高市を中心とする地域で、精神的な病に悩む人とその家族を支援するために平成18年に設立されました。障害者就労、就労移行支援、就労継続支援、生活支援、地域活動支援など、各方面から支援する施設と、実際に就労や職場を体験できる喫茶店やカレーハウスを運営しています。
 これらが有機的に連携して発揮される支援の成果とそれを支える方々の熱心な努力は、私も会員となってその活動に触れるようになって知りました。その粘り強い努力には本当に頭が下がります。
 事業は飯能地域が中心であるため、日高市からは交通機関を使って通わなければなりませんでした。その不便を解消し日高市地域で活動できる場所が、以前から望まれていました。
 それが今回実現しました。関係者によると、ここまでの道のりは長かったようですが、いろいろな出会いや機会が重なっての実現とのこと。この施設の完成で、日高市精神障害を持つ方の拠り所となる場所ができました。
 民家を改造しての施設は、外見は普通の平屋の一戸建てです。しかし、中に一歩足を踏み入れた途端、普通の民家ではない雰囲気がありました。
 奥の部屋に入ってびっくり。浅野正敏さんがいらっしゃる。えっ、浅野さんとあおーら? にわかに、その関係が分からなかったのですが、浅野さんはこの民家のリフォームの設計・管理に携わったのです。
 浅野さんは、飯能で環境保護の活動を熱心に行っている建築家で、特に古民家の再生や日本の伝統家屋の設計で有名な方です。私は、2年前、日高みどりの会の講演会講師をお願いした際、知り合いました。政治的な動きとは一線を画しながらの環境保護の実践活動には、穏やかな話し方からは伺えない堅固なものを感じました。
 自然の仕組みを良く知る浅野さんは、生活支援の建物にふさわしい工夫を随所に施しています。西川材を使った床、珪藻土で仕上げた壁。また既存の建物の特徴を活かす和室の造作や露出した丸太の梁、古い建具や硝子戸など。気持が落ち着く部屋で、ずっと居たくなる雰囲気を持っています。
 ある場でのあおーら関係者との出会いがきっかけだとのこと。素晴らしい共鳴・同期を感じました。