地方自治の本棚


 この列全部が地方自治関係の本。

 たたみ1枚の棚から短時間に情報が得られる。


 仕事の打ち合わせで東京に出ました。用事が終わった後は定番のコースです。池袋のジュンク堂に行き本棚めぐりをし、必要な本があれば購入し、その後、スターーバックに入ってコーヒーを飲みながら本を広げパラパラめくる――これが東京に出る楽しみです。
 書店も変わりました。本の所在を聞くと該当の棚担当に連絡し、たちどころに分かります。買う買わないにかかわらず探してサービスカウンターに出しておいてくれます。それを手にとって休息用の椅子に座っていくらでも立ち読みならぬ“座り読み”ができます。
 インターネットでどんな情報も手に入り、本もデジタルで読める時代になりました。しかし、本はやはり違います。1冊を手にとれば全体が外観でき、ワンセンテンスから想像が広がり関係性が確認でき視界が広がります。そういう経験を積み重ねることによって頭が働く方向がタテヨコに広がっていき、いろいろな角度から眺められるようになります。
 従来の出版の長期低落が言われていますが、このジュンク堂に来るとそんなことが嘘のようにいつも賑わっています。どんな本を買っているのかは知りませんが、各階とも若い人が多い。
 書店の良さは、たたみ1枚の書棚から、最新の情報をまとめて得られることです。それも、まえがき、あとがき、目次、著者紹介ををめくりながらの閲覧を短時間で何十冊もできることで、たちまち数十分前の自分とは違った“ものしり”になります。本の品定めをしながら自分の関心の方向と的を確認できます。
 最近、私がジュンク堂に行ってこのたたみ1枚の集中的渉猟を行うのが、地方自治関係の棚です。この列全部が地方自治、まちづくり、議会、都市計画など地域に関係するテーマです。地方自治に携わることは、大げさに言えばこの全部が守備範囲となり、動向だけでも知っておいた方がいいとなります。
 たくさんの議論が行われていますが、乱暴に言えば、そういう議論の具体的な終着点が議会と行政となります。しかし地方議会の状況は十年一日、これはなぜなのか、私自身の課題でもあります。