議会図書室


 議会事務局の奥、議長室の隣りにある議会図書室。入って右側の書棚には、主に議事録があります。青のホルダーが正本、町時代からの議事録がそろっています。
平成18年に、この議会図書館に1週間くらい通ったことがありました。ソクラテスの会創立15周年記念の「市民の財産巾着田を考える」の原稿を書くための下調べをするためです。町時代に進められた巾着田の水道用ダム湖の行政面からの推移を調べました。
 相当長い期間に亘っていましたが、議会でのやりとりを読みながら主要なポイントを書き移していきました。おぼろげな記憶ですが、町民の最重要インフラを議論する議会の熱気と言うかエネルギーを感じ、意外な思いを持った記憶があります。
 最近の市政でこれに相当する重要政策は何だったか。土地の規制緩和だと思いますが、議会での議論のレベルは、漠然とした印象ですが、前者の方が高かったような気がします。


 左側には参考図書類があります。大体が平成15年以前の古い本が多い。パラパラめくっていたら、いいな、と思う本がありました。野村稔著『地方議会への26の処方箋』平成12年刊。
 著者は、前全国都道府県議会議長会議事調査部長。議会関係の団体には、このほか、全国市議会議長会全国町村議会議長会があります。いずれも議会と議会事務局の団体です。日高市が助言を仰いだりするのは、市議会議長会です。
 著者は、地方議会の生き字引のような方で、豊富な知識と実例で各方面に目配りの利いた内容です。『議員必携』もそうですが、地方議会の専門家の書くものは、法律と積み重ねられた経験・知見に基づく偏らないスタンダードで安心できる指針が書かれています。
 それでいて、この本も「分権改革のフロントランナーとなるために」という副題がついているように、議会と議員の役割を二元代表制のもとでどう発揮すべきか、あるべき姿を語っています。
 関係機関のこういう実績があるのに、当の議会に対する国民の評価が悪くなるばかりというのは、一体どういうことなのか不思議です。これは10年前の本ですが、議会不信とその処方箋は、現在の状況そのものです。
 結局、徒党を組んで動く――議員になってもここから離れられないという理由でしょうか。それを凌駕する仕組みと市民の関心が鍵だと思います。
 


 図書室の窓から見える風景。太平洋セメントの石灰輸送ベルコンベアーの終点が見えます。「武甲山〜Yルート」と呼ばれるもので、秩父の部甲山から採掘された石灰岩が23キロの長距離ベルトコンベアーで運ばれてきて、貯蔵施設に落とされます。