総合計画市民会議と市民コメント――その4

【補完したい考え方】――市の当初案に対す私の意見

 1 緑の基本計画
 国としても、県としても、緑の基本計画と景観計画には積極的に取り組んでいます。
 緑の基本計画は、平成6年の都市緑地保全法の改正による制定以来、全国で80%以上の自治体が策定しています。これは緑に関する総合的なマスタープランともいうべきもので、総合計画の中で緑に関する考え方の基本となるものです。
 緑の基本計画は、市民の良好な生活環境をつくり、自然環境を計画的、体系的に保全、また新たにつくっていくためのもので、日高市もまちづくりの重点方向として「豊かな自然環境の保全」をいうのであれば、緑の基本計画の策定を施策の展開の主目的とすべきと考えます。
 土地利用のマスタープランと環境基本計画の策定と連携して、この3つがそろってこそ自治体のまちづくりのビジョンが示されると言っていいと思います。

 2 景観計画
 埼玉県は08年に景観条例に基づく景観計画、09年に埼玉県公共事業景観形成指針を作成し、自治体にも策定を進めています。今後10年を見通すとすれば、これらの景観に関する基本計画は、日高市にとって必要不可欠と考えます。
 日高市の「豊かな自然と景観」は、この地域の歴史と人々の生活の痕跡の集積であり、それを後世に残すことは、日高市市民のアイデンティティを高め、地域で生きる力を醸成することにつながります。景観条例と景観計画はまさにその目的のためにつくられたものです。
 その対象は、日和田山巾着田高麗川に限定されるものではなく、日高市全域の景観についてです。したがって、「旧新井家の保存と活用」は景観計画の策定における一部であり、「施策の展開」の主要な目的とはなりません。
 なお、「旧新井家の保存と活用」については、ハコモノの運用であり、地元だけではない市民の意見を取り入れる仕組みの創設が不可欠です。