全員協議会のグレーな特徴

 全員協議会開会。
 四角に設けられた机の3辺に18人の議員諸氏、正面の一辺に、市長、教育長をはじめとする執行部が座っています。市側と反対の壁際に傍聴席。議員の前には説明資料が配布されていますが傍聴者には無しです。
 司会は副市長です。よく聞こえなかったのですが、冒頭に、議長が開会遅延を詫びる発言をしたようです。司会の説明によると、8つの報告事項と平成23年度当初予算の概要説明があるとのこと。
 さて、そもそも全員協議会とは何なのか。仕組みと役割について知らないと今回の公開の意味が分りません。整理してみました。議員でないと実態が詳しく分からない面があるので、議員活動の案内書である『議員必携』を参考にします。
 全員協議会には法的な根拠はありません。慣例で開かれている議会と市長をトップとする執行側との話し合いの場です。3つの種類があります。
 1 本会議関連の協議会
 本会議の過程で必要に応じて議長が休憩を宣言して話し合いをする場合。議事を進めるため、議員間の調整、議員と執行側などその場の状況に応じて非公開で開催。
 2 自主的意見調整の協議会
 議会内部の事柄について、執行部とは関係なく議長の判断で行われるもの。
 3 市長が意見を聞くための協議会
 市長が行政上の重要問題等について議会の意見を聞く協議会。行政上の重要課題の説明や議会に提案予定の案件も含まれる場合もあります。
 今回の公開は、この3番目のタイプです。『議員必携』によると、これから開く本会議に上程する予定の案件について話し合うことは、問題があるという。いわゆる「事前審議」です。
 議会と市長は、提案と審議そして議決と執行の責任と権限をそれぞれ独自に持っています。したがって、法的な根拠のないところで双方が議会開催の前に打ち合わせをおこなうことは“談合”――とは言っていませんが、『必携』は、「議会の権威を失い」「市町村長の責任も否定される」と書いています。
 このようなことを念頭に、今回の公開を眺めてみると……。