循環精米機


ロール式籾摺機

 冬の柔らかい日差しが穏やかさと静謐を一層感じさせる新年でした。今日だけは、皆、身体も心も時間の流れるままにまかせて、心地よい弛緩に浸れる日です。
 ところが、我が家の玄関ではブーン、ザザーという音が低く唸っていました。循環精米機です。新年早々から騒がしいことですが、要するに、平成22年度米の最終調製が12月に処理できなくて今やっている、という状態。
 本命のロール型籾摺機は、オーバーホールするために春に分解し、その後は手が付かずばらしたまま。他にインペラ式というのがあるが、それは消耗品を交換しなければならない状態です。万石式というのもあるが、これは一番古い方式で、掘っ立て小屋の奥に眠っています。これだけあっても、皆、役立たず。
 自分でそんな状態を予想してか、昨年、何月頃だったか忘れたが、循環精米機をオークションで買っておきました。循環はピンチヒッターとして必要だなー、と漠然と思っていました。
 それに、あわなどの雑穀類を作った時、最終の調製・精製をするのに循環精米機が必要になります。そのために1台はあってもいいだろうと思っていました。
 循環精米機は、新品だと7〜15万円くらい。オークションにはたくさん出回っていて品数は豊富で安いです。もちろんピンキリですが、構造は簡単な機械ですから、外観と機能から選びます。精米機といっても、籾摺りからできるものと、精米のみの2種類あり、籾摺り付きは少ない。入手したのは、籾摺機の不調を補うのが目的の1つだから籾摺り機能付きです。
 ホッパーの中のモミが下部の筒の中を通って循環します。筒の中を通り抜けて行くときにモミが擦れ合って殻が壊れていく、という仕組みです。モミはモグラが出てくるような感じでモリモリと盛り上がり、自然に循環していきます。それを繰り返していくうちに、籾殻が少しづつ剥がれて、40分ほどで白米になります。
 しかし1回にホッパーに入るモミ量は10キロ。うち白米になるのは約6割です。4割は籾殻とヌカが一緒になった状態で排出されます。ある程度の精米量を確保するには、相当の時間を要します。そういう訳でタイマーをセットしての連続運転です。
 モミの中に、草のタネや茎や葉っぱのゴミが多い。このゴミがよく取れないのが循環の欠点。こういうゴミが多いのは脱穀の時のエンジン出力が関係しています。出力が落ちると唐箕(とうみ)の回転も落ち、ゴミが外に排出されない。大量の草を一緒に束ねているので、どうしても混じってしまう。
 そこで、軽く循環で一度精米した米を、コイン精米機にかけるときれいになります。お米が口に入るまでには沢山の工程が必要ですが、毎年のことながら籾摺りが課題です。