新しい田んぼ、見事な倒れっぷり


 先週見たときに、倒れる気配がありましたが、昨日行ったら本当に見事な倒れっぷりでした。これはどうしたことか。あれほど、俺の稲は絶対倒れない、と豪語してきたのに、これでは「ほら吹き」になってしまうぞ。
 それにしても、こんなに倒れるのは初めてだし、近隣眺めてもこれほどのは見たことがない、それくらいの派手な倒れっぷりです。そこで、急遽、女影の田んぼは後回しにして、こちらを優先することにしました。倒れた下にたくさんのモミが落ちています。倒れて穂が固定した為にすずめが食い付き易くなり、大群で押し寄せてきているようです。居る前で2度、3度襲来しましたが、すずめは臆病なのでこちらが動けばサッと散って飛んで行きます。
 おーい、起きてくれ! 刈りに来たぞ、とは言ってはみたものの……。

 さて、原因は何だろう。心当たりは二つあります。ありますが確たるものではなく、思い付きです。
 一つは、草っぱらに直接水を入れて大量の草をすきこみながら代かきをしたこと。しかし、これが原因とは言いにくい。これでチッソ過多とは考えにくいのだが、刈ってみると、意外に稲の丈が長い。女影と同じ48号だが、明らかに長い、かなり長いです。7月という遅い田植えにもかかわらずの成長ぶりで、これは高温のせいかもしれない。この長い草丈も倒伏の理由の一つです。

 もう一つは、夏に虫が大発生した影響かもしれません。この可能性が大きい。一部ではなく田んぼ全体に倒伏していることも、そう推定する根拠なのです。このの写真が8月15日に発生した虫害。どんな虫だか姿形はとらえることができず、いろいろ調べてみたがどうもよく分からない。葉がすじ状に白くなり先端が折れ曲がる特徴に似ている例もあるが、虫の特徴となるとすっきりと納得できない。
 苅った稲の茎の最下部を見ると、茶色く変色しているのが多い。やはり、白すじに食う虫には茎の水際に入るのがいるとあったから可能性は高い。
 稲の生育を含めた田んぼの現象は、一つの理由ではなくいろいろな現象の複合であることが多い。良い方向に理由が合えば昨年のような無農薬での大豊作になります。マイナスの方向に合致すれば、この倒伏のようなことになると思います。自然の現象をいかにプラスの方向に、それもひとつやふたつではなく沢山のプラス現象を束ねることができるか、にかかっており、そこに無農薬農業、自然農業の面白さと可能性があります。

 こんなべったりと倒れたのを刈れるのかと心配になったが、稲刈り機を使うと、その機能には毎年のことながら、感心してしまいます。本当によく出来ている。一株一株、倒れている稲を起こして刈っていくのです。よく考え出したものです。

 刈り取った束は、折れたり曲がったりで、乱れ髪のような印象です。

 富士山がかすかに見えます。ここは、富士山のいい鑑賞スポットになるようです。