新しい田んぼ

2カ月の間、入退院を繰り返した母は、ようやく退院の目途がつきました。背骨の圧迫骨折の痛みに耐えかねて入院し、良くなって退院してすぐ再発、2度目の入院でした。
 94歳にして初めての介護保険の御世話になることになりました。今までは、介護保険など無縁という感じの母の生活に、私も真剣に考えたことは無くごく一般的なことしか知りませんでした。
 毎日の病院通いをしながらの、申請の手続きやケアマネジャーとの介護計画の打合せを通じて、ようやく介護の問題が“わが身の課題”として見えてきたところです。

 母の痛みが始まった時と田植え時期が重なり、最終の田植えは7月直前。実る過程を考えるとギリギリの時間でした。
 さて、その7月直前に行った田植えは、今年新しく耕作をさせていただくことになった田んぼです。

 これが今の状態。植えた時、周りの田の稲は分けつが進み、勢いよく成長するさまが感じられる時でした。その中で、一見して貧弱な苗が植えられた新しい田は、正に貧相そのものでした。
 水さえあれば後で追い付く、晩生で実りは大丈夫とは思っても、様子の分からない新しい田んぼでの初めての植え付けに多少の不安はありました。
 しかし、夢にまで見た水の入る田んぼ。いつもたっぷり張られた水の情景に、不安よりもこみあげて来る喜びが勝りました。
 その喜びと満足感に浸りながら見てきて今日の稲。夏空にまっすぐ伸びる穂が開花し始めました。熱い日差しの下で上手く行く予感です。

彼方に見える田んぼの稲はもう実りの色をしています。

 ところで、6月10日に書いたこの前の記事のタイトルは、「田んぼにカモが来て、コバトは去った」。2カ月でトンデモナイ展開です。
 今朝の朝日新聞の一面見出しに躍る「菅・小沢氏全面対決」の文字。そして編集委員氏の署名記事には「鳩山氏は退陣後、いったんは、首相を辞任したら政治家もやめる、と明言したのに、いつの間にか復活し、菅、小沢両氏の調停役を気取っている。失政の反省は無いのだろうか。頭を冷やせと言いたい」とあります。
 天声人語氏は、「危険を感じるとすぐ隠れる」小沢氏が「世論を敵に回し国会でたたかれるリスクを取った」が「それでもやはり、小沢氏は首相に向かない」と断言。
 社説は、何と「小沢氏出馬へ あいた口がふさがらない」とめったに使わない表現です。
 口が開きっぱなしではではまずい、としたのか、声欄で「国政の課題解決に剛腕期待」と紙面の転調を図り、社会面で「どちらが首相でも(民主党の国会議員は)小沢氏に抵抗、菅氏に失望」とあり、最後は「派閥争い、自民と同じ」の決め台詞。
 何か熱病に冒されたような集団を見て、国民にこれから抵抗はどんな形で出てくるでしょうか。あるいは失望で終わってしまうのか。