消える景色、記憶のままの景色


 今日も冷たい雨だったが晴れてくる予感がしました。この後、さっと晴れた後、また黒雲が足早に覆い、夕方から激しい雨になりました。春の到来前の寒の戻りです。
 緑の時にはノッペラボーに見える駒高方面も、霞みや霧がかかった時には、谷筋が入り組んでいることがよく分かります。車を持っていなかった30代は、道の無い谷筋をよく歩きました。いい粘土が出るところを知っています。



 駅周辺で昭和30、40年代の建物が残っているのは、この廃屋と信号角のいまは閉めている酒屋さんだけです。学生の頃、友達とハイキングに来た時、この廃屋の小さなお店にはお婆さんが一人で店番をしていました。たばこやお菓子など雑貨を売っていたと思います。桜の木もその時の風景そのままです。店の前にチャンスンがありました。廃屋が立つ小さな三角形の土地だけが不在地主でこのまま残っているようです。



 長い間、放置されていた製材所もついに取り壊され、整地されました。美観を損なう、危険だなどの声もありましたが、季節を重ねるごとに朽ち行く建物を毎年眺めていると、有機物が自然に帰っていく姿を見る思いでした。
 1年くらい前だったか、朽ち行く建物の一部が新しい板を当てて修繕され、その不自然な姿に何かあるのかなーと見ていました。上総屋の一件と言えば地元ではよく知られた話し。貸借に関する裁判が決着しての整地とのこと。きれいさっぱり無くなって、新しい風景が出現です。
 ほぼ工事が終えた頃、地鎮祭? らしきもの。竹が4本四角にあり、しめ縄となれば地鎮祭のはず。すわっ、コンビニか、または、もしかしたら小型の生鮮スーパーか、と勝手に想像をたくましくし、そうなれば武蔵台住民に◎のいい知らせだとふくらますだけ膨らましました。
 しかし、地元の人に聞いてみたら、そういうことは聞いていない、そんなことはないだろうとのこと。勝手な想像の風船ははじけました。しかし、ここにお店をつくればいいと思いますね。