冬越し元気バッタ


 母の部屋に一匹のバッタがいます。部屋の中でもモゾモゾといつも動いていて元気な様子です。こんな寒さの中でよく生き延びているね、と感心しています。
 このバッタは、私が1月中旬に畑から取って来たハクサイの中に潜んでいました。母は飛び出してきたバッタを見て、どうせ死んでしまうだろうとは思いながらも、ビンに網をかぶせて入れておきました。台所の寒いところに置いていたのですが、いつまでも動いているので居間に移しました。
 元気です。網をはずすと飛び出してきます。これは特別、元気なバッタなのだろうか。母は、口が赤いから外国から来た種類なんでは、と言ってますが、そうではないと思うが、このバッタの元気の素は何だろうか、と思います。
 私のハクサイは出来そこないのハクサイで、葉が伸びていない、だから葉が巻いていなくて横に広くべったりと広がっています。だから、バッタにとっては寒さ凌ぎの場としては条件は良くないはずです。それなのに、よく畑で生き延びてきました。
 形はできそこないですが、母はこんな旨いハクサイは初めてだ、とてもスーパーのはたべれない、と言います。それはともかく、暖かくなったらもっと元気になって“冬越し元気バッタ”になるのだろうか。