国交省の地図システムにびっくり

 ネットで探し物をしていたら、すごいものを発見しました。
 公的なもので公開されているものですから、そういう意味ではすごいものではないのですが、私は初めてみたので「こんなものがあるのか」とビックリしました。その目的については、私はあまり意義を感じないのですが、ある部分は非常に面白い、へぇーっと言う感じです。
 これは、国土交通省国土計画局の「GISホームページ――21世紀の国土をめぐる情報交流基盤」というサイトです。連絡先が国交省になっているから国の直轄事業です。運営は、国土数値情報運営事務局サイト、となっていますから、多分、省の関係公益法人がおこなっていることは間違いないと思います。
 これは地図の上に様々な情報を載せて閲覧できるもので、その趣旨についてこう書いてあります。
 「国土数値情報は、全国総合開発計画国土利用計画国土形成計画などの国土計画の策定や推進の支援のために、国土に関する様々な情報を整備、数値化したデータです。
 全国総合開発計画等の策定の基礎となるデータを整備するため、昭和49年の国土庁発足に伴い、国土に関する基礎的な情報の整備、利用等を行う国土情報整備事業が開始されました。(中略)地形、土地利用、公共施設、道路、鉄道等国土に関する地理的情報を数値化したものです」
 ここに書いてあるように、このシステムは昭和49年の国土庁発足に伴って同時に実施されたものです。現在、地図情報はグーグルで簡便に利用できるようになりましたが、当時としては画期的な構想だったのかもしれません。
 この仕組みの最も基礎データになる地図情報、具体的には航空写真も、発足時の昭和49年度から平成2年度にかけて撮影されたものです。この写真の上に各種情報を加え、加工して提供しているようです。HPのページを繰っていると、どうも使用勝手がよくわからない、隔靴掻痒の感がするのはなぜでしょうか。
 各種の地図情報のほかにその上に基本的な地勢情報や行政情報も閲覧できるようです。しかし、そこに辿るまでもが大変なのだが、地図の主要データが昭和40年から50年代と古く、さらにその他の情報も年代が古い上に非常にバラバラで、いまひとつ信頼感が湧かない。
 こんなわけで、隔靴掻痒と今一信頼感は、どうもデータの古さを露わにしないで更新と維持を行っていることにあると感じました。そういう背景による気後れと言うかいうか後ろめたさが、失礼ながら感じられてしまいます。昭和の40、50年代の地図に、現在の行政情報や国土計画を載せても、木に竹を接ぐことになるのは自然、と思うのです。
 それも全国が対象です。趣旨にいう「国土利用・形成・開発計画」などはどんどん変わっているので、これも更新に膨大な手間を要します。行政情報ですら平成の大合併前の状況です。IT処理が進歩し、都道府県レベルと国の情報を合わせ見れば、この種の情報の入手はそれほど難しいことではありません。
 事業継続が前提で引き継がれてきた? のではないかもしれませんが、昨年の事業仕分けではどうなったのでしょうか。
 さて、おもしろい点です。私は地図を見るのが好きです。特に古い地図や写真には関心があり、眺めていて飽きません。むかし武蔵台公民館が出張所ではなかった頃、高麗公民館の受付の上に30年代の日高の航空写真が貼ってありました。生涯学習センターの2階にあるのがどうもそれらしい。
 こういう地図をみることに面白みを感じるのですが、どこの地域でもみられるわけではありません。それが、発見した国交省の「GISホームページ――21世紀の国土をめぐる情報交流基盤」の写真で見ることができるのです。
http://nrb-www.mlit.go.jp/webmapc/mapmain.html#
 これは面白い! 見ていて楽しい! 左側の「住所」に目的の住所を入力し、右側の地図のカーソルをプラスの方向にして大きくします。グーグルと同じです。
 武蔵台には家が立っていません。横手台は造成が始まったばかり。
 こまがわ団地も東急高麗川団地も同様。
 日本セメントが畑の中にドーンとあります。
 日高―狭山県道は未開通
 高麗川陸橋はできたばかり
とこんなことが分かります。地図の楽しみに関心ない人にはなんということないことですが。
 国交省のシステムは、こんな古い地図ですがこれはこれで面白い。